インターワイヤード(株)運営のネットリサーチ「DIMSDRIVE」が6日発表した「物流の2024年問題」に関するアンケートの結果によると、消費者の「物流の2024年問題」に対する認知率は69.8%に上るが、「内容まで知っている」は18.2%にとどまった。
Q.宅配便を利用する際、再配達の削減をどのくらい意識していますか?
宅配便の利用シーンは「ネット通販で購入したとき」が最多
調査は(一社)流通問題研究協会と共同で、5月15~16日に全国の20歳以上の男女を対象に、インターネットを活用して実施(回収数1318人)。
宅配便の利用シーンを聞いたところ(複数回答)、「ネット通販で購入したとき」(83.0%)が最も多かった。「お中元・お歳暮」(25.0%)、「お祝いの品を親族・友人・知人に送るとき」「フリマ(メルカリなど)の取引」(各19.3%)が上位に入った。次いで、「家電製品を購入したとき」「ふるさと納税の返礼品を受け取るとき」「ネット以外の通販(テレビ・折り込みチラシなど)で購入したとき」「ネットオークション(ヤフオクなど)の取引」が続いた。
男女別で見ると、女性は男性よりもさまざまなシーンで宅配便を利用していることがわかった。特に、「お祝いの品を送る」「フリマの取引」は男性よりも10ポイント近く上回った。一方、男性は「ネットオークションの取引」などの利用率が女性よりも高かった。
宅配便の受け取り頻度は「月1回以上」が76.1%。「月1回以上」の割合は、男性の方が女性よりも高かった。
宅配便の発送頻度は「月1回以上」が22.4%で、「ほとんどない」が3人に1人の割合となった。20代では「ほとんどない」が半数近くに達したが、60代以上では2割ほどにとどまった。
宅配料金の値上げをめぐり賛否分かれる
「物流の2024年問題」に対する認知率は全体で69.8%に上った。しかし、その多くは「見聞きしたことがある」というレベルで、「内容まで知っている」は18.2%。男女別では、男性の方が女性よりも高かった。年代別では、高年代層で高い傾向が見られた。
「物流の2024年問題」をめぐる意見に対する評価を聞いた。その結果、「トラックドライバーの労働環境を改善するのはよいこと」「再配達削減のため消費者側も協力すべき」という意見については、それぞれ「そう思う」が8割近くを占めた。
一方、「ドライバーの待遇改善や人材確保のための宅配料金値上げ」に対しては、肯定的な評価が5割台にとどまった。「従来に比べ、全体的に配送の日数がかかる」「急ぎと急ぎでない荷物を区分して、急ぎの荷物には加算料金」に対しては、肯定的な評価がそれぞれ6割台。また、物流負担・環境負荷軽減では、「通販などではなるべくまとめて注文したい」「船や鉄道での輸送を増やすべき」に対し、どちらも肯定的な評価が6割台だった。
再配達削減に8割以上が「意識している」と回答
宅配便を利用する際に、再配達削減をどの程度意識しているかを質問したところ、「とても意識している」が35.9%、「まあ意識している」が46.4%。消費者の大半が、再配達削減を意識しながら宅配便を利用している様子が浮かび上がった。
再配達削減のために現在利用していることとして、「受け取り時間指定」「宅配業者のアプリ・SNS利用」「置き配利用」などが挙がった。今後利用したい(今後も利用したい)ことは、「宅配ボックス」「勤め先・オフィスでの受け取り」「コンビニ受け取り」など。
「物流の2024年問題」に関連して、宅配便の利用で自分ができること・したいことを聞いた結果、「宅配ボックスの設置推進」「置き配の拡大」や、「時間指定の徹底」「受け取り場所の多様化」などの意見が寄せられた。
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