1つひとつの商品に合った梱包の実現に向けて――。商品の保護に重要な役割を果たしている梱包。開封しやすく、処分の手間がかからないことも大切だ。Amazonの梱包は「大きな段ボール箱」のイメージが強かったが、一部商品についてはサイズに合った紙袋での配送を促進。Amazonはこのほど、最優先事項に掲げる「梱包最適化の取り組み」を公開した。
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梱包材の選択に機械学習を活用、商品を複数のカメラで活用し資格情報を取得
梱包の簡素化、梱包資材の削減、そしてサステナビリティ。Amazonによると、2015年以降、Amazon全体で出荷ごとの梱包重量を38%以上、150万トン以上の梱包資材の削減を実現している。「商品に合った梱包で届ける」を命題に、物流拠点のフルフィルメントセンター(FC)などで出荷のオペレーション(作業手順)を追加し、対象商品を拡大した結果だ。
Amazonでは、最適な梱包の実現のため、1つひとつの注文に対する梱包材を選ぶ際に、機械学習を活用している。FCの一部には、商品情報に含まれる商品の寸法に加え、実物の商品を複数の角度からカメラで捉え、視覚情報を取得するシステムを導入している。
特定サイズの段ボール箱だけを使用する梱包設備を撤去
また、日本のFCでは設備の見直しを行い、特定サイズの段ボール箱だけを使用する梱包設備を撤去。さまざまなサイズの段ボール箱を使用できる梱包プロセスの導入を進めている。これによって、「商品よりも格段に大きな段ボール箱が届く機会」は、ますます減っている。
梱包の簡素化も進めている。安全上の問題がなく、商品保護の面でも梱包材を変更して問題がないと確認した商品については、段ボール製の箱や封筒に代わり、より軽量で柔軟、効率的な「紙袋」で配送している。この取り組みを加速させるために、さまざまな大きさの商品に対応できる「紙袋の自動梱包機」を開発。順次、FCへ導入している。
さらに、梱包簡素化の一環として、Amazonによる追加の梱包を省き、商品パッケージのままで配送できる商品を特定し、その種類を増やす取り組みも実践している。メーカー各社の協力を得るとともに、物流オペレーションを改善することで実現できた取り組みだ。
適切なサイズの梱包は配送面でのメリットも
適切なサイズでの梱包は、配送面にもメリットがある。配送車両に一度により多くの荷物を積むことができるようになると、配送の回数を減らすことが可能になるためだ。こうした取り組みを積み重ねることで、Amazonがめざしている、40年までにネットゼロカーボンを達成するという目標にも近づくことができるとしている。
梱包サイズの最適化に加え、Amazonは、FCで使用する梱包材から使い捨てプラスチックを削減することにも努めている。21年には、Amazon全体で出荷あたりのプラスチック梱包材の平均重量を7%以上削減した。
AmazonFCからの発送商品は紙の緩衝材に
日本でも、AmazonのFCから発送される商品については、冷凍・冷蔵商品など一部のサービスを除き、プラスチック製の袋を使用した梱包をなくし、紙製に置き換えている。また緩衝材も、割れ物の梱包時を除いて、プラスチックからすべて紙の緩衝材に変更した。
欲しいときに商品が届き、すぐに使えるようにするためのインフラを整えることを「すべきこと」とするAmazonは、「梱包の簡素化はそのための手段の1つ。最小限にとどめられた梱包が日常の風景になることで、世の中の認識も変化し、結果的として持続可能な社会の実現にもつながっていくことを望みたい」としている。
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