自社ブランドの日本酒開発など事業拡大へ

　谷櫻酒造は1848年に山梨県で創業した老舗だ。170年以上の歴史を持ち、酒造に適した風土に蔵を構え、八ヶ岳南麗の豊かな自然と清らかな湧水の恵みから大吟醸「谷桜」や純米酒「北の杜」などの銘酒を醸造。地域に長く愛され、県内でも有数の知名度を持つ酒蔵だ。
　生酛造りによる風合い豊かな酒造りを行っており、英国・ロンドンで創設された世界的に権威のあるアルコール品評会「IWSC」で数々の受賞歴を有している。谷櫻酒造の2022年6月期の売上高は9200万円だった。
　ベルーナは子会社化について、自社ブランドの日本酒開発や、グルメ事業の日本酒におけるブランド価値向上など、事業戦略の可能性拡大の観点から、「企業価値を高めるに資すると判断した」としている。

酒類通販の売上増とグルメ事業の顧客数拡大を狙う

　ベルーナの23年3月期のグルメ事業の売上高は323億1000万円。24年3月期の売上高は同7.2％増の346億5000万円を見込む。そのうち、日本酒通販事業の23年3月期の売上高は49億8000万円。24年3月期は前期比14.4％増となる57億円を見込んでいる。
　通販売上14年連続1位のワインとともに、日本酒の通販売上も6年連続1位。グルメ事業の中でも酒類は強みを発揮しており、№1商品の越乃五蔵大吟醸の売上実績は、20年3月期の120万本から順調な伸びを続け、23年3月期には300万本を超えている。
　同社は、新たな価値を生む商品とサービスの投入を進め、酒類の通販売上増をめざし、さらにはグルメ事業全体に及ぶ顧客数の拡大と、事業成長につなげていきたい考えだ。

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