フィッシング対策協議会がこのほど公開した『7月のフィッシング報告(海外を含む)』によると、報告件数は前月より3万2690件減り、11万7024件となった。これに伴って、フィッシングサイトのURL件数 (重複なし)は、同1835件減少して2万1585件、悪用されたブランド件数は、同14件減って93件となった。
Amazonをかたるフィッシングが急増
特徴としては、Amazonをかたるフィッシングの報告が急増し、全体の31.0%。次いで多かった三井住友カード、イオンカード、セゾンカード、ヤマト運輸、日本航空をかたるフィッシングの報告を合わせると、全体の63.5%に。また、1000件以上の大量の報告を受領したブランドは19ブランドあり、これらで全体の92.6%を占めた。
分野別では、EC系が35.2%、クレジット・信販系が24.9%、金融系が18.9%、配送系が 5.7%、航空系が4.4%、オンラインサービスが3.6%となり、EC系と金融系が増加した。
悪用されたブランドは93ブランド。クレジット・信販系22ブランド、金融系20ブランド、通信事業者・メールサービス系15ブランド、配送系6ブランド、EC系5ブランド、官公庁5ブランドとなり、前月と同様にクレジット・信販系ブランドと金融系が多い状況が続いた。
SMSから誘導されるフィッシング (スミッシング) については4月以降、金融系ブランドをかたる文面の報告が多い状況が続いている。宅配便関連の不在通知を装う文面からAppleをかたるフィッシングサイトへ誘導するタイプの報告も増加している。
また、国税庁をかたりVプリカでの支払いを要求する画面へ誘導する事例もあった。Androidスマートフォンの場合はスミッシングから不正アプリ (マルウェアなど) のインストールへ誘導されることが多いため、日ごろからSMSのリンクからのアプリのインストールは行わないよう注意するとともに、Google Playプロテクトや正規のウイルス対策アプリなどで不正なアプリをインストールしていないかの確認が必要としている。
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フィッシングサイトのURL件数は2万1585件
フィッシングサイトのURL件数は2万1585件で、6月比では1835件減った。URL全体のTLD別では.comが52.7%、.cnが15.8%、.cfdが8.3%、.topが7.1%、.icuが4.5%、.cyouが2.4%となり、大量の.com ドメインおよび.cnドメインがフィッシングに悪用されている。
調査用メールアドレス宛に7月に届いたフィッシングメールのうち、87.0%がメール差出人に実在するサービスのメールアドレス (ドメイン) を使用した「なりすまし」フィッシングメールだった。調査用メールアドレスへ配信されたフィッシングメールの送信元IPアドレスの調査では、全体の約87.8%がCNの通信事業者からの配信だった。
また、フィッシングメールが届いたということは、メールアドレスなどの情報が漏えいしていることを意味する。漏えいしたデータは消すことができないため、メールアドレスなど、変更できる情報は変更することを推奨している。
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