ECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」を運営するGMOメイクショップ(株)は29日、防災の日(9月1日)を前に、『防災グッズの販売傾向や災害発生時におけるECサイトの利用傾向』について調査し、発表した。それによると、コロナ禍で防災グッズの流通額(2019年~20年)も急増し、前年比2.13倍となる1億8000万円に膨らんでいた。
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毎年「防災の日」の9月にも注文数が増加傾向
今年の防災の日は、関東大震災の発生から100年。その節目に向け、ECと防災に関するデータを調査・発表することで、防災意識の向上や、ECを通した災害対策への啓蒙をめざした。調査は「makeshop byGMO」で構築されたECサイトのデータをもとにした。
東日本大震災が発生した11年~22年の防災グッズの流通額とその成長率を見ると、熊本地震があった16年の成長率は161%と最も高く、その後も成長傾向が見られた。コロナ禍が蔓延し始めた20年の流通額は前年の2.13倍、約1億8000万円まで急増している。
20年は、外出自粛の影響からECを利用する人が増え、「makeshop byGMO」全体の流通額も成長率35%と高成長を記録したが、20年の防災グッズの成長率は、それを大きく上回る113%となった。コロナ禍の落ち着きからか、20年と比較すると21年以降は流通額・成長率も落ち着きを見せているが、年間約1億円規模の売上となっている。
防災グッズの注文数データを月ごとに見ると、災害発生時や防災の日など防災意識が高まるタイミングで注文数が増加していることが、顕著になっていた。11年3月11日、東日本大震災が発生したタイミングに山が見られ、翌年以降も、3月11日前後には防災グッズの注文が伸びていた。
東日本大震災以外にも、16年4月の熊本地震、18年6月の大阪北部地震といった地震発生、豪雨や台風発生後のタイミングでは防災グッズの注文が増加。また、毎年9月1日は防災の日であることから、防災グッズの新発売や防災関連の情報を発信する企業も多く、毎年9月にも防災グッズの注文数増加の傾向が見られた。
売れ筋は「防災セット」「備蓄用缶詰セット」「充電式LEDランタン」
11年~22年の注文データで、防災グッズの売れ筋ランキングトップ5を見ると、1位「防災セット」、2位「備蓄用缶詰セット」、3位「充電式LEDランタン」、4位「防災知識に関するガイドブック」、5位「イス付き防災キャリーカート」となっていた。
水、食料、防寒具、ライトなど災害時に必要な物がまとめられている「防災セット」を、1人用、2人用と家族の人数に応じて購入し、備えている人が多いようだ。また、配送が基本となるECの場合、持ち帰りの手間が省けることから、「備蓄用缶詰セット」や「イス付き防災キャリーカート」など、かさ張る物や重量のある商品が上位にランクインしていた。
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県、宮城県、福島県、茨城県の4県について、震災発生前後のECにおける注文数を分析した結果、4県への注文数は震災発生の11年3月11日を含む週には、前週の2分の1ほどに減少していた。しかし、それが3週間後には震災発生前の9割ほどに、4週間後には完全に回復していた。
同じく4県からの注文数を見ても、震災発生時にはそれ以前の5分の1ほどに落ち込んでいたのが、3週間後には元の水準まで戻っている。不足している物資を調達するためか、早期にECでの注文が回復したと考えられ、EC利用による経済活動の再開が見て取れる。
このように、震災発生時の被災地でも、EC利用による経済活動は翌週~3週間程で通常通りに回復しており、さらに、応援消費による支援の場としてもECが活用されている。「makeshop byGMO」では、有事の際にも安心してショップ運営を続けられるよう、引き続き、インフラ体制の強化に努めていく考えを示している。
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