(株)MM総研が20日発表した『ポイント/決済サービスの携帯キャリア別利用状況調査』の結果によると、ポイントサービスとECサイトなどのクロスユース率は楽天が73.1%でトップを維持し、ドコモが40.4%と躍進。QRコード決済ではソフトバンクが55.3%と引き続きトップとなっていた。
携帯キャリアとポイントサービスのクロスユース率
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QRコード決済は「PayPay」がトップ
調査は8月10日~15日。15歳~79歳の男女5万259人を対象に、ポイントサービス、QRコード決済、クレジットカード、ECサイトの4領域を分析した。契約先の携帯キャリアが提供する各種サービスを「最も利用している」と回答した比率(クロスユース率)を指標とした。
それによると、ポイントサービス/クレジットカード/ECサイトのクロスユース率は、楽天モバイル(今回集計から楽天MNOサービス利用者のみ集計)が、前回調査(2021年8月時点)に引き続きトップだった。エコシステムの要となるポイントサービスのクロスユース率は73.1%と、2位のドコモに30pt以上の差をつけていた。
ドコモはポイントサービスのクロスユース率を前回調査比で8.0pt増の40.4%まで伸ばし、QRコード決済利用率も32.6%と約12pt伸長。QRコード決済では、ソフトバンクが引き続き55.3%(同8.8pt増)でトップを維持しているが、他の3キャリアも3割前後にまで伸び、QRコード決済の普及が進んでいる。
ソフトバンクはTポイント提携時からクロスユース率がダウン
携帯キャリア(グループ企業含む)が提供するポイントサービスでは、楽天モバイルユーザーによる「楽天スーパーポイント」が73.1%で最も高く、次いで「dポイント」の40.4%だった。前回比で最も高い伸びを示したのは、ドコモユーザーによる「dポイント」で8.0pt増。ドコモユーザーによるクロスユース率は、調査した4項目すべてで増加していた。
ソフトバンクは22年3月末で「Tポイント」との提携を終了したため、今回は「PayPayポイント」で集計。PayPayポイントのクロスユース率はTポイント提携時に届かず、31.7%(前回は34.5%)。楽天モバイルとauは前回調査時から0.8pt、1.8pt減とあまり変動がなかった。
QRコード決済は、ソフトバンクユーザーによる「PayPay」が55.3%で最も高く、次いでドコモユーザーによる「d払い」が32.6%だった。前回比で最も高い伸びを示したのはd払いで11.9pt増。d払いユーザー数はPayPayユーザー数に迫る勢いで、順調なユーザー数の増加がクロスユース率の増加につながったと考えられる。
ソフトバンクはPayPay独自のキャンペーンを展開し、ユーザーを拡大させた。楽天モバイルユーザーによる「楽天Pay」は前回比9.2pt増の31.2%だった。auユーザーによる「au Pay」は2.7pt増の28.1%となり、QRコード決済利用率が3割近くまで伸びた。
クレジットカードは、楽天モバイルユーザーによる「楽天カード」が65.8%で最も高く、ドコモユーザーによる「dカード」は24.9%だった。前回調査比では、楽天モバイルの2.8pt増に対し、ドコモは6.6pt増で、auの1.1pt増、ソフトバンクの1.9pt増と比べても「dカード」のクロスユース率の伸びがトップとなり、追い上げが鮮明となっている。
ECサイトは「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」の順
ECサイトでは、楽天モバイルユーザーによる「楽天市場」が58.7%で、ソフトバンクユーザーによる「Yahoo!ショッピング」の23.6%が続いた。3位はauユーザーによる「au Payマーケット」で7.5%、ドコモユーザーによる「dショッピング」は2.4%だった。調査対象者の利用率も1.2pt減少しているため、ECサイトを利用しない層が回答した結果、クロスユース率も減少に転じた可能性があり、増加したのはdショッピング(0.7pt増)のみだった。
電気通信事業法改正で端末と通信回線セットの割引規制が強まる中、契約による縛りではなく周辺サービスの利用率を高めることで、キャリアサービス経済圏によるユーザーの囲い込みを各社は狙っている。MM総研は、「楽天経済圏」のユーザーをどの程度楽天モバイルに引き込めるかが今後の要となってくるとしている。
各社とも、前回比で大きな伸びを見せたのはQRコード決済。4社のクロスユース率を平均すると、8.2pt増と他の項目よりも伸び率が高かった。21年10月には決済手数料有料化による加盟店の離脱が懸念されたが、ユーザーのQRコード決済利用率は確実に上昇している。
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