自分のペースで働く時間を選択
Amazon Flexは、軽車両を保有する個⼈事業主が配達業務を行うプログラム。働く⽇時を⾃由に選び、⾃分のペースで報酬を得ることができる。仕事を始めるために必要なものは、軽車両、黒ナンバー、普通運転免許、スマートフォンなど。
仕事の内容は、スマホでオファーを受託→商品を受け取って配達→週払いで報酬を受ける、という流れだ。それぞれの生活に応じた働き方を自由に選択可能なため、子育てや介護をしている女性も、自分のペースで働く時間を選び、収入を調整することができる。
今回、千葉県船橋市のAmazon船橋デリバリーステーション(DS)を訪問した。アマゾンで注文された商品は物流拠点のフルフィルメントセンターから各地のDSに集約される。DSでは、商品を配送地域ごとに仕分けして、委託先のドライバーに渡し、各ドライバーが商品を届けている。
2021年10月にオープンした船橋DSでは、1日あたり数万個の商品を取り扱う。 多くの女性が働き、管理職の半数以上を女性が占めている。
女性が働きやすい環境を整備
千葉県の船橋エリアでAmazon Flexドライバーをしている石井智恵さんは、1児の母。2年ほど前に、子どもが1歳を迎え、何か仕事を始めたいと考え、自分の都合に合わせて柔軟にスケジュールを組める点に魅力を感じ、Amazon Flexドライバーに興味を持った。石井さんの夫がAmazon Flexドライバーをしていたこともあり、始めてみようと決心したという。
出産前は大型ショッピングモールに勤務していたが、子どもの急な発熱や体調不良で休むことに抵抗があったと振り返る。
アプリの使い方や地図の見方などに慣れるまで1カ月ほどかかったが、「慣れてしまえば大変なことはありませんでした」(石井さん)。現在、船橋DSで商品を受け取り、週4~5日ほど配達している。
配送業務は重労働で男性にしかできないというイメージがあるが、Amazon Flexについては重い荷物もなく、配達量も自分のペースに合わせて調整できるため、女性が働きやすい環境が整っている。アマゾンジャパンによると、ドライバーからは「仕事の不満点はない」という声が多く聞かれるという。
石井さんも「お客様がいろいろと気を遣っていただき、この仕事を選んでよかったと思っています。今後も続けて行きたいですね」と満足しているようだ。
1児の母の石井さん、2年前からAmazon Flexドライバーに
Amazon Flexドライバー・石井智恵さんのインタビュー内容は以下のとおり。
――子育て中の女性が働きやすい仕事はほかにもあるが、なぜ未経験のAmazon Flexドライバーを始めたのですか?
石井 最初からドライバーの仕事を探していたわけではなく、子どもがまだ小さいので休みがちになると思って、Amazon Flexの「働きたい時に自由に働ける」という広告を見て興味を持ちました。ほかの仕事も探していたのですが、このような条件の仕事はありませんでした。
――Amazon Flexドライバーとして働いてみて良かったこと、大変だったことは?
石井 大変と感じたのは、アプリの使い方や地図の見方に慣れるまでの最初の1カ月くらい。慣れてしまえば、大変なことはありませんでした。 女性でも運べる商品ばかりです。
良かったと思う点は、やはり時間の自由がきくことです。このほか、割り当てられた商品を時間内にすべて配達できた時は達成感があり、うれしいですね。また、お客様からいろいろ気を遣っていただくことが多く、特に夏場は飲み物や栄養ドリンクを差し入れてくれる方がいて、うれしく感じています。
――ドライバーは男性社会の職場だと思いますが、働きにくさを感じることは?
石井 働く時間を選べて、子育てや家事に支障がない範囲で働けるので、両立できる仕事だと思います。この船橋DSでも、多くの女性ドライバーを見かけます。女性だから働きにくいことは特にないですね。
イメージ的には大変と思われるかもしれませんが、Amazon Flexでは自分で商品を仕分けすることもなく、商品の数も無理のない範囲なので、働きやすいです。
――物流の2024年問題への対応で、女性ドライバーには新たなラストワンマイル配送の担い手として期待が高まっています。今後の抱負をお聞かせください。
石井 Amazon Flexは女性だからやりにくいこともなく、また、時間の自由がきくことが一番のメリットだと思っています。子どもが風邪をひいたり、熱を出したりなど、急な場合に休むこともできています。
私自身は仕事を楽しくやっています。アマゾンのアプリがとても使いやすくて、ゲーム感覚で操作しています。また、置き配が多いのですが、対面で渡すと感謝されることもあり、この仕事を選んでよかったと感じています。
報酬については、車などの経費がかかりますが、それを引いても良いと思います。今のところほかの仕事は考えていなくて、今後も続けて行きたいです。
(聞き手:山本 剛資)