消費者庁は15日、二重価格表示や虚偽のダイエット効果を表示して健康食品や化粧品などを販売していた通販事業者(株)ブレインハーツに対し景品表示法に基づく措置命令と課徴金納付命令を行なった。同社では、根拠なく痩身効果をうたったり(優良誤認)、実体のない販売価格を「参考小売価格」などとして記載していた(有利誤認)。課徴金額は計2229万円。
「芸能人も愛用!」「テレビで話題」などすべて虚偽の表示
今回、ブレインハーツが違反認定を受けたのは、(1)ダイエットサプリ『グリーンシェイパー』、(2)ダイエットサプリ『アストロンα』、(3)ダイエット茶『スリムイヴ』、(4)石けん『恋白美スキンソープ』、(5)ダイエットレギンス『Smart Leg』の5製品。
5製品のうち『アストロンα』以外には、課徴金納付命令も出した。消費者庁が違反を認定した期間で、ブレインハーツは計約7億5000万円を売り上げており、課徴金額は2229万円となった。
同社では、全く根拠がないにもかかわらず各商品について痩身効果やシミ・シワの解消などをうたっていた。一例としては、「グリーンシェイパー」について、根拠なく「確かな臨床試験がありながら『痩せすぎ』の健康被害により機能性表示食品から除外された製品」などとうたったり、架空の新聞記事や架空の認定制度の許可を取得しているなどの内容をランディングページ(LP)に掲載するなどしていた。そのほかの商品では、事実がないにもかかわらず「芸能人も愛用!」などとして実在の芸能人の顔写真を使用していたり、実績がないにもかかわらず「テレビで話題の商品」などと表示していた。
消費者庁・表示対策課の笠原慎吾上席景品・表示調査官は「(ブレインハーツは)販売する商品に、痩身効果がないことを認識しながらも、販売促進のためにかなり誇張した広告表現をしていたと聞いている」と話している。
また、販売実態がないにもかかわらず「通常価格74,500円(税抜)→限定特価14,900円(税抜)」などと二重価格表示も行なっていた。
アフィリエイト広告からのリンク先でも周知文掲載を命令
命令内容は、「(1)違反の内容を一般消費者に周知徹底する」「(2)再発防止を講じ、社内に周知徹底する」「(3)今後同様の表示を行わない」−-ことの3つ。消費者庁によると、ブレインハーツはアフィリエイト広告を中心に集客を行なっていた。そのため、ブレインハーツのLP内容を元にしたアフィリエイト記事も景表法違反表示にあたりうると指摘。違反内容の周知徹底の条件として、「公式サイトなどでの周知だけでなく、アフィリエイト広告のリンク先にも周知文を載せるなどの措置をとること」と付け加えている。
なお、今回の件についてはアフィリエイト記事自体は違反認定は受けていない。笠原氏は「アフィリエイト広告関連について言及していることが、今回の措置命令内容の特徴的な部分。アフィリエイト記事についても景表法の規制の対象であり、広告主、ASP、アフィリエイターはこのことを十分に理解して広告表示をしてほしい」と呼びかけた。
加えて、「消費者は、アフィリエイト広告の内容は必ずしも客観的な内容ではなく、広告主から内容について指示を受けている場合もあるということを注意して表示に接していただきたい」などとした。
(古川 寛之)
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