2019.04.24 ECモール
家電ECが進化…楽天ビック流通額が70%増、購入履歴の統合も
楽天市場のO2Oの取り組みが想定以上の成果を上げている――。楽天(株)と(株)ビックカメラが昨年4月にオープンした家電ECサイト「楽天ビック」が、オープンから1年経過し、前年比70%増の成長を遂げていることがわった。
O2O施策の奏功で「楽天ビック」流通額が70%増
楽天とビックカメラは17日、メディア向けの事業戦略共有会を開催し、サービス開始から1年を経過した「楽天ビック」の成果と今後の戦略を発表。楽天市場の家電ジャンルは流通額が同14.6%増と成長しているが、そのなかでも「楽天ビック」は大規模な機能改善やO2Oの取り組みにより、流通額が同70%増と大きく伸長し、家電ジャンルを牽引している。
楽天の矢澤俊介執行役員は「取扱高が増えるだけでなく、不安なく家電を購入してもらう機会が増えた。安心してネットショッピングを楽しむ場面が増えたことは、すばらしいこと」と話し、楽天ビックが「実際に商品を見て買いたい」「大型家具の配送は不安」「商品の詳細について質問したい」といった家電ECのネックとなる部分を解消し、安心して商品を購入できる環境を整えた意義について語った。
家電ECの課題を「楽天ビック」で解決
楽天ビックは昨年4月のオープン後、家電ECの購入時に「実際の商品が見たい」「定員の説明が聞きたい」という楽天市場のユーザーに向け、O2O促進のキャンペーンを実施。楽天ビックでエントリー後、商品を店舗で購入すると楽天ポイントが倍にしたところ、店舗への来店者が急増したという。「想像以上のエントリーがあった。店舗購入のニーズが強いことを改めて実感した」(矢澤氏)という。
昨年6月には楽天ポイントを貯めるだけでなく、利用できるようにしたことでO2Oの送客効果が高まり、8月には両社での商品の統一配送を開始。11月にはリニューアルを実施しより購入しやすくするために、在庫情報を確認し、受け取りたい店舗で商品を受取れるようにした。また、当日・翌日配送サービスで配送時間を指定できるようにしたほか、設置工事を伴う商品の場合は購入時に設置工事の予約が可能となった。さらに、購入時に商品がドアから入るのか、階段を上りながら持ち運ぶことができるのかなど、商品を運ぶ際の参考数値を表示するようにした。
こうした取り組みでビックカメラ側も、想像以上の効果があったという。
ビックカメラEC本部長の秋保徹常務
ビックカメラ実店舗に若年層女性の来店が急増
ビックカメラEC本部長の秋保徹常務は「まず、楽天会員が来店することで、ビックカメラとしても想定以上の大きな効果が得られた」と話した。
ビックカメラのポイントカードユーザーは男性が多く、女性が少ないことが課題だった。また、顧客の中心は30~40代で、若年層の取り込みも課題の1つとなっていた。楽天ビックの取り組みで、店舗での購入で楽天ポイントを利用できることようになったことから、女性が多数来店したという。
秋保氏は「(今回の取り組みで)女性の利用客が増えることは予想していたのだが、若い女性がここまで来店してくれたことは、想定以上だった」と語る。「家庭では女性が財布の紐をにぎることが多い。若い女性を取り込み、将来にわたり利用してほしい」として、今後に期待感を示した。
ビックカメラ店舗と楽天ビックで購入履歴を統合
両社の今後の取り組みについては、O2Oの連携強化、商品の配送の強化、楽天とビックカメラによる「楽天ビック」オリジナル商品の開発・販売などを挙げた。O2Oの連携では、実店舗へのさらなる送客を図り、ポイントアップキャンペーンなどを実施するほか、許諾を得たユーザーに対し、ビックカメラ実店舗での購入履歴を楽天ビックの購入履歴で確認できるようにする。この取り組みにより、故障したときにはどこに連絡をすればいいのかが、ネット上で確認できるほか、無くなりやすい製品の保証書も電子的に管理できるようになる。
配送については、17日に関西エリアでの当日配送を開始した。また、楽天ビックのオリジナル商品については、冷蔵庫などのIoT製品、プログラミング教育に特化した子ども用PCなど、ビッグデータやトレンド情報を活用し、ユーザーからのニーズが高い商品を開発する。
こうしたO2Oの取り組みは、楽天ビック以外にも、スポーツ用品店の(株)アルペンや、ホームセンターのコーナン商事(株)とも実施しているが、店舗の購入履歴をネットでも確認できる取り組みを他の連携企業と実施するかについては、「要望があれば検討したい」(矢澤氏)と話した。オープンから2年目を迎えた「楽天ビック」。家電ECのイノベーションはさらなる進化を遂げそうだ。
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