2019.05.28 コラム
クライアントの売上アップ率は233%!DM0のビジョンとは?(前編)
(株)ダイレクトマーケティングゼロは、導入社の「平均売上アップ率233%」「継続率99.3%」という驚異の数字を叩き出している通販・ECコンサルティング企業だ。同社の強さの秘密と、その裏側にある想い、今後の事業展望について、田村雅樹社長と現場で活躍するコンサルティング部の上原涼子マネージャーに話を聞いた。
DM0の田村雅樹社長(都内・代々木のオフィス前)
創業のきっかけとなった2つの想いとは?
同社が支援した企業数は550社を越える。全日本DM大賞では7年連続受賞・通算34冠という実績も持つ。今年3月に発表されたDM大賞ではオルビスとの取り組みが銀賞入選、「ていねい通販」で健康食品を販売する生活総合サービスとの取り組みが銅賞入選となっている。過去にはエーザイ、ドゥクラッセ、えがお、アテニアなど、数多くのクライアントとの実績が評価されてきた。
同社は、(株)ベネッセコーポレーションや(株)マードゥレクスの要職を歴任した田村雅樹社長が2009年に立ち上げた。「世界をダイレクトマーケティングだらけにする」ことをビジョンに掲げる田村社長は、設立のきっかけは2つあると語る。
田村社長:1つ目のきっかけとなったのは、ベネッセからマードゥレクスに転職したときの経験が大きいです。当時のマードゥレクスは、勢いはあるものの、まだまだ発展途上の段階で、事業としては赤字の状態でした。「分析と企画を楽しむ文化」と「黒字化する仕組み」が確立されていない状況だったのです。そこで、事業と社内教育の根本的な改革に挑み、1年で黒字化を達成し、2年目には300%以上の成長を実現させました。実績を出せてことも嬉しかったですが、社員のみんなが「楽しい!」って言ってくれたことが大きかったです。この経験から、通販業界にはKPIをベースにしたコンサルティングを必要としている企業が、沢山あるのではないかと思いました。
2つ目のきっかけとなったのは、BtoCの立場だった際にBtoBの企業に「足りないもの」の存在に気づいたことにあります。それは「商品やサービスへの愛」と「成果と責任の共有」です。でも、それは仕方ないんですよね(笑)それぞれのKPIが違いますから。DM0はBtoC企業の立場から見て、「日本一、顧客&商品愛があって、結果に責任の取れるBtoB」を目指して立ち上がった会社なのです。
そんな経緯から立ち上がったDM0が、飛ぶ鳥を落とす勢いで目覚ましい成果を出し続けている背景には、田村社長をはじめスタッフ全員が「ダイレクト・マーケティング」を愛し、その力を信じていることにあるようだ。
田村社長:ダイレクトマーケティングって、お客さんの声が聞こえるんですよね。消費者と生産者がダイレクトにつながることができ、データを取得でき、統計ができ、改善できる。商品にフィードバックできる強みもある。僕自身が生産者とコンシューマーが直接繋がるダイレクトマーケティングの力を信じ、面白さを感じています。
お客さまの声にもたくさん種類があると思って。まずは、結果という声。データを取得でき、統計ができ、改善できる。商品にフィードバックもできる。そして次の声は「サイン」です。これは結果から想像するお客さまの意志や感情のことです。そして、もうひとつが直接話を聞くこと。僕自身、生産者とコンシューマーが直接繋がるダイレクトマーケティングの一番の強みはお客様の声を聞けることだと確信しています。
田村社長「原体験は、ベネッセ時代に誰よりも多く受講生と会っていたこと」
田村社長:その原体験はベネッセ時代に誰よりも進研ゼミの受講生と直接会っていたことにあります。ベネッセ時代の新卒の時、『友だちのつくりかた』『部活天国』といったコンテンツマーケティングを担当していました。全国の子供たち3000人以上に直接会って取材をしていたんです。長崎・五島列島の子と船釣りに行ったり、長野の旅館の子と湯船の掃除したり。UFO村でみんなでUFO呼んだりもしました(笑)
長い時間を一緒に過ごしていると、子供達のことがわかってきます。だから、その後に僕が新規顧客獲得記録を塗り替え続けられたのだと思っています。生の声を聞いてわかることがあるからこそ、商品やサービスの改善につなげていけるんです。
そうした田村社長の体験から、DM0では「アンケートなどによる定量調査」と「実際に会ってみる定性調査」に重きを置いている。そして、ほぼすべてのクライアントのエンドユーザーのコールセンターでのやりとりなどの音声ログを聞いているそうだ。
田村社長:僕らは、膨大な量のケースを目の当たりにしています。だからこそ、単純に成功法則のコピー&ペーストによる再現というのは「違う」と誰よりもわかっています。
もちろん、同じことをやるほうが楽だと思います。でも、継続・非継続のギャップを調査したり、お客さま座談会などで見えてくるお客さまのリアルな像は商品やサービスによって微妙に違います。実際にお会いして『どんな鞄を持っているか』『どんな服を着ているのか』『どんな話し方をするのか』『どんな表情をしているか』を感じると、共通点と違和感が見えてきます。こうした現場の情報から仮説も立てられるし、結果を出すためにはとても重要なんです。
オーダーメイド型で最適な改善施策をサポート
同社はコンサルティングスタイルも一線を画している。DM0では、導入社ごとに最適なコンサルティングを施せるように「オーダーメイド型」で支援を行っていく。その前段階としてDM0では導入前に「KPI診断」を行うそうだ。まずクライアントの現在の状況を知ることから始まるということだ。さながら、医師による健康診断のようにクライアントの状態を問診を通して把握するのだ。
田村社長:クライアントのことを把握した上で、最初に「短期計画」「中期計画」によるLTVの向上を共通目標として約束します。
クライアントはパートナーであり仲間であり、戦友というスタンスです。うちは『あくまで外部』の立ち位置ではありません。自社のノウハウを切り売りするコンサルティングでは責任が取れません。ですから、当社の1人のコンサルタントが担当するクライアントは平均2社程度です。
例えば、「継続率を上げたい」という課題があったとしましょう。でも、過去の事例と今向かい合っているクライアントさんの状況に共通する部分はあっても、完全に一致はしないものです。商品が違ったり、顧客層が違ったり、会社の考え方が違ったりとさまざまなケースがあります。そのため、テクニックの1つを切り取ってあてがっても、本質を見落としてしまいがちです。
これを、お医者さんに置き換えてみると想像しやすいと思います。大変なことになりかねないですよね。だから、注意深くクライアントさんの事業構造(=健康状態)を把握した上で、最適な改善(治療)を行う。だからクライアントさんよりもクライアントさんの数値に詳しいという自信があります。それでも毎回、手術ですから、緊張の連続です。ただ、そうじゃないとイコールパートナーになれないのです。
それはクリエイティブ制作でも同じです。クライアントからOKをもらっていても、社内チェックで全変更といったことも日常茶飯事です。命を預かっていますから当然です。
それだけじゃありません。なんでもします。クライアントが店舗を持っていれば、実際に足を運んでカウンセリングを受けるのは当たり前。お客さま視点が足りなければ、社員さんのマインド醸成に取り組んだりもしますし、必要があれば組織づくりのアドバイスや人事評価に携わったりもします。クライアントさんの社員の一員となって、事業成長に責任を持つというのはそういうことです。
「DM0はクライアントさんと一緒に成長してきた」
これまでの印象深い事案として、田村社長は(株)メディプラス、(株)DECENCIA(ディセンシア)の2社とのハンズオンの取り組み、そしてていねい通販とビアンネの「プロジェクトX」型の取り組みがあると振り返る。特に、メディプラスとディセンシアには「すべてを捧げ一緒に成長させてもらった」実感があると言う。
田村社長:どのクライアントさんにも、もちろん全力投球します。ですが、メディプラスさんとディセンシアさんは、社員10人以下の時代から関わってきました。そこから急成長を一緒に見ることができました。PLの策定から行ったこともありますし、定期購入の仕組みを導入するため、要件定義から携わったこともあります。適切なマーケティングができるよう、土壌を整えたうえで新規獲得・転換率・定期継続・クロスセル、そしてロイヤリティプログラムの設計まで、ありとあらゆるマーケティング支援を手掛けてきました。
また、ていねい通販さんとは定期継続プログラムとして、初回配送箱から変えていきました。サイズの障壁などもあり、100以上の配送テストを繰り返し、1年半に及びましたが、諦めずに実現する同志として、「プロジェクトX」と呼んでいます。ビアンネさんでは、短期間で驚くべき成長をともに築き上げることができ、また、全社員へのマーケティング教育プログラムもさせていただくなど、全幅の信頼があってこそだと感じています。
「戦友」「同志」「仲間」。こうしてみると、やはり「イコールパートナー」をお互いに実感できる瞬間が好きかもしれないですね。
4社ともDM0の確かな実力による力強い支援を受け、大きく成長を遂げている。DM0では、現在も多くの通販企業を支援しており、通販売上伸長率ランキングTOP3をクライアントが独占した実績もある。次世代のスタープレーヤー企業も生まれつつあるところだ。
後編では、上原氏の話を中心に田村社長の想いを現場がどう体現しているのかについて迫る。
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