問合わせ客の8割が購入、顧客満足を高めるECの秘密
サイト上でどんなに商品を詳しく説明しても、消費者には分からないところ、知りたいところはたくさんあるものだ。 そもそも、消費者は商品ページの隅から隅まで読んでいるわけではない。ざっと目を通した段階で「よく分からない」と思ってしまえば、すぐに他のECサイトに移動してしまう。その間、わずか数秒〜十数秒。それほど短時間でサイトや商品の良し悪しを判断されてしまうことは、実際によくあるのだ。 しかし、このとき、目につくところに電話番号やメールアドレスが明記されていて、「お気軽にお問合せください」の一文があったらどうだろう? 商品に興味があれば、「ちょっと聞いてみようかな」と思う人は確実にいるはずだ。そして、電話やメールの対応が丁寧だった、親身になってくれたとなれば、好感度は急上昇し、商品の購入率は確実にアップする。 住宅設備機器を扱う『サンリフレプラザ』で取り扱っている商品は、普段、消費者が購入する機会がないトイレや蛇口だ。だからこそ、他の商材よりも、一層、気軽に問い合わせができることをアピールする必要があった。
どこでも目に入る“問い合わせ”
『サンリフレプラザ』のサイトは、ヘッダー部分に「お問い合わせ・お見積り」ボタンとフリーダイヤル、フッター部分にフリーダイヤルを掲載している。この2個所は、どのページを開いても固定表示されるので消費者はいつも目にしていることになる。 「お問い合わせ・お見積り」ボタンをクリックすると、「お問い合わせ(価格以外)」と「価格のお問い合わせ」の2つが最初に目につく。どちらもメールフォームによって問い合わせられるようになっている。その他にも、「工事見積フォーム」、「よくある質問」に続けてフリーダイヤルやファクス番号など、問い合わせや質問に関してはこのページにすべてまとめてある。問い合わせをするのは購入意欲が高い消費者であることが多いため、販売機会を逃さないためにも、問い合わせが簡単にできることは重要なのだ。 ただし、これは、いわば基本形。同社は、商品ページからの問い合わせについても、工夫を凝らしている。
商品ページからでも、気軽に問い合わせができる
消費者がサイトの中で最も問い合わせをしたいと思うのは、商品ページを見たときだ。実際の商品を見て興味を持ったとき、疑問を持ったときに、目につくところに電話やメールが表示され、しかも、いつでも連絡できる雰囲気があると、「ちょっと聞いてみようか」と思うからだ。 『サンリフレプラザ』は、この商品ページの作りが秀逸だ。特に、メイン商品であるトイレの商品ページは、消費者が気軽に問い合わせができるアイデアが詰まっている。まずはそのページを見てみよう。
商品が卸価格で買えること、設置する工事費用も2万9800円と安いことをうたったメインビジュアルのすぐ下に、フリーダイヤルが目立つように掲載されている。通常の商品ページのように、商品一覧をカタログのようにずらずらと並べるようなデザインにはなっていない。その理由は、消費者の考え方をくみとっているからだ。 「各トイレの商品ページをひとつひとつ見て、ゼロから特徴を調べたいと思っているお客さまはあまりいません。それよりも、ショールームを訪ねたときのように、詳しいスタッフに自分に合うトイレを一緒に探して選んで欲しいと思っています。そう考えたとき、『とりあえず、電話してみようかな』と思っていただけるページ作りが不可欠だと思いました」(ケイシス代表取締役の栗原 将氏)
そのためには、サイトに対する安心感を持ってもらわなければならない。だから、単にフリーダイヤルを載せるだけでなく、その下に何名かの社員の顔を見せるようにしたのだ。そこには、売れ筋商品を教えてくれそうな営業マンもいれば、施工担当者らしき人も写っている。少なくとも、顔の見えないECサイトよりも、はるかに「このサイトなら、信頼できそうだ」と思ってもらえる。 もちろん、いざ、消費者が問い合わせをしたとき、どのような対応をするかが、その後の商品の売れ行きを大きく左右する。『サンリフレプラザ』の場合、電話で問い合わせをした消費者が、その後、商品を購入する確率は、なんと8〜9割。それほど多くの人が、同社の対応に満足していることになる。
丁寧、スピーディーは、リピーターにつながる
「電話は、ワンコールでとるのを心がけています」と言うのは、問い合わせ全般に対応している営業部の高橋直樹氏。「スピーディーな対応」は、消費者との信頼関係を築くうえでとても大切なことだと話す。 「お電話をくださったお客さまから見積を依頼されることも多いのですが、その日のうちに見積書を作成し、メールなりファックスなりで送るようにしています。すばやく対応すれば、その分、早く工事もできます。なにより、スピーディーに対応すれば、その分、お客さまも安心してくださいます」
1人の問い合わせ客と30分以上話し込むこともあるし、メールや電話で数十回はやりとりをすることもある。そこで丁寧に、スピーディーに対応するからこそ、月間300〜400件ものトイレのリフォーム実績に結びついているのだ。栗原氏はさらにこう付け加える。 「そうはいっても、お客さまは工事が終わるまでは安心していません。ですから、お客さまと接する施工スタッフに徹底しているのは、約束の時間に遅れないこと、笑顔を忘れないこと、仕事は的確に素早くすること、他の商品をすすめるなどの営業を一切しないことです。どれもごく当たり前のことですが、これまでの住宅設備業界ではなおざりになっている部分が多々ありました」 注文時の対応も、工事も素晴らしかったとなれば、お客さまは心底満足してくれる。しかし、トイレは一度リフォームしたら当分、買い換えるものではない。リピーターにはつながらないのではないだろうか。 「いえ、そんなことはありません。トイレの購入、設置に満足してくださったお客さまは、次は蛇口を、その次はガスコンロをという具合に、別な商品を購入し、工事も同時に依頼してくださることが非常に多いです。また、『あの会社なら安心できるから』とお客さま自らが、実家や、友人、知人の方に口コミで広めてくださることがとても多い。今では、こうした方々からのご注文が全体の4割ぐらいになると思います。ありがたいことです」
今後、同社が力を入れていきたいのは、自社のブランディングだ。現在、トイレ、蛇口など商品別にサイトを立ち上げる準備を、マーケティング部の砂塚育子氏を中心に進めている。それぞれのサイトで、「リフォームをすると、毎日の生活に潤いをもたらす」ことを訴求しようとしているという。栗原氏は、リフォームによる生活の変化、向上をキーワードに自社をブランディングしたいと考えている。 「例えば、蛇口などは『ハッピーな蛇口で暮らそう!』というキャッチコピーをつけて商品を展開しています。実際、工事におうかがいするとよく分かるんです。今まで水漏れしていた蛇口、きつくて閉めるのが大変だった蛇口が、新しくて使いやすいものに変わっただけで、お客さまは本当に喜んでくださるんですよ。だからこそ、リフォームしたら、こんな生活が待っていますよ、という部分を打ち出していけたらと思っています」 住宅設備業界に新風を吹き込み、既成概念を次々と打ち破ってお客さまのニーズに合う商品を提供してきた『サンリフレプラザ』。今後も、きめ細やかなサービスでファン層を拡大し、実績を伸ばし続けていくことだろう。(完)
(出典:ASCII.jp - Web Professional) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― サンリフレプラザ http://www.sunrefre.jp/ 運営会社:ケイシス株式会社 従業員数:50名 オープン:2001年 年商 :16億2000万円(2011年9月度) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ★成功ネットショップ:『サンリフレプラザ』(1) ★成功ネットショップ:『サンリフレプラザ』(2) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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