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通販通信ECMOニュース・記事コラム創業20年を目前に控えた下着通販のピーチ・ジョン過去No.1のヒット、累計販売数50万枚超えの“機能性ブラ”が登場

2013.11.22 コラム

創業20年を目前に控えた下着通販のピーチ・ジョン過去No.1のヒット、累計販売数50万枚超えの“機能性ブラ”が登場

下着通販の先駆けであるピーチ・ジョン(本社東京)は、まもなく創業20年を迎える。近年は業績不振が目立つ同社だが、経営陣の刷新やヒット商品の登場等により、徐々に業績回復の兆しが見えてきた。過去No.1のヒットを誇るという新商品「ワークブラ」は、ピーチ・ジョンにどんな変化をもたらしたのだろうか。

■EC売上は全売上の約半分に達するが、カタログも引き続き重視

ピーチ・ジョンの創業は1994年と、下着を中心に展開する通販会社の中では歴史が古い。事業自体はさらに古く、会社設立以前の1988年から行っている。主力商品である「ボムバストブラ」のヒットを受け、1994年に法人化。同年、初の実店舗『ピーチ・ジョン・ザ・ストア』を東京・千駄ヶ谷に開設し、通販と実店舗の両輪で事業を拡大してきた。現在実店舗は、アウトレットモールへの出店を含め、国内に25店舗を構える。また海外にも商圏を広げており、上海に5店舗、北京に2店舗、香港に3店舗とアジア圏を中心に展開している。 売上構成比は、通販が6割、実店舗が4割。通販売上のうち7-8割はECで、カタログ(電話、ハガキ、FAXでの注文)による受注は残りの2-3割にとどまる。ECサイトは2004年8月から稼働しており、「基幹システムを入れ替えた2009年から、カタログ売上を上回った」(販売本部通販部ネット通販課の宮澤雅行課長代理)という。しかしカタログ発送時期にECを含め全体の売上が伸びるため、ECだけに絞るという選択肢はない。 「カタログ発送のタイミングでプロモーションを仕掛け、同じタイミングでECサイトへの新商品を追加している」(通販部広告・販促・企画担当経営企画部情報システム課課長情報セキュリティアドミニストレータの安住祐一氏)。

前述した通り、同社のECサイトは2004年からあったものの、「当時のサイトはECとしては不合格」と宮澤氏が振り返るように、2009年の基幹システムの入れ替えまではECは軌道に乗っていなかった。しかし市場全体がECにシフトしていく中で、同社もECを強化。2012年にはスマートフォンへの最適化も行った。 スマートフォンへの最適化を始めてからは、UI(ユーザーインターフェース)の改善を繰り返し、この1年で4〜5回改修を続けてきた。「改修を繰り返すたびに、コンバージョン(購入)率が上昇しています」(宮澤氏)と一定の手応えを感じており、EC売上の中でもモバイル経由(スマートフォン・フィーチャーフォン売上を合算)がPCを上回り始めている。スマートフォン対応を強化し、さらなる売上拡大を目指して行く考えだ。

 

 

■世代別に異なるカタログを発行

同社は、現在4種類のカタログを発行している。メインは『PEACH JOHN』。他に、メインカタログの合間に発行する『PEACH JOHN』の別冊カタログ、『GJ』から名称変更した美容雑貨カタログ『PEACH JOHN Beauty』、そして32歳以上の女性をターゲットにした『SALON』の計4種類だ。 メインの『PEACH JOHN』は、主要ターゲット層である20代女性を対象にした季刊発行カタログである。一方別冊カタログは、『PEACH JOHN』のプレ号という位置付けで顧客に発送するもので、号ごとにタイトルや内容が変わる。例えば2013年4月に発行した別冊カタログ『GiRL!』は、「メインカタログよりも、若い女性をターゲットにした」(宮澤氏)と、メインのターゲット層より下の10代でも買いやすい価格帯の商品を揃えた。『SALON』は『PEACH JOHN』を卒業した32歳以上を対象にした大人版カタログ。メインカタログで扱っている商品単価2,000〜3,000円の商品に対し、『SALON』は4,000円台とやや高めに設定されている。このように世代別にカタログを用意することで、より細かいニーズに応じていく考えだ。

 

 

■「若い層の取り込み」が現在の課題

同社の2013年3月期の売上高は、前期比13.5%減の119億7200万円、営業損失は27億100万円(前期は営業利益5億2900万円)。直近の四半期決算である2014年第1四半期(2013年4-6月)は、売上高30億7,000万円(前年同期比2.8%減)、営業利益8000万円(同54.5%減)と厳しい状況が続いている。最盛期(2006年5月期)には売上高173億円を計上した同社は、どのような回帰策を練っているのだろうか? 一つは、対象ターゲットの拡大である。狙うは、10代後半〜20代前半といった、現在の主要顧客層よりも下の世代だ。 「10代後半〜20代前半の若いお客様は下着を買う際、店舗を利用する傾向があります。こうした方々を通販へシフトできれば、当社にも勝機が生まれます」(安住氏)。別冊カタログ『GiRL!』は、若い世代へのアプローチの一環として発行したのだという。来期以降も若い層を取り込むため、形を変えて『GiRL!』を継続していく意向だ。

 

 

■累計50万枚超えのヒット商品が誕生

また昨年誕生した、「過去No.1の人気」(宮澤氏)というヒット商品もピーチ・ジョンを勢いづけている。2012年2月の販売開始から1年半で、累計50万枚を超えたヒット商品『ワークブラ』シリーズである。「店舗で試着すると、2-3枚まとめて買って行く人が目立つ」(広報)という売れ筋商品の人気の理由は、まるでワイヤーが入っていないかのような楽な着心地にある。ノンワイヤーのような軽やかさでありがならも、ワイヤー入りならではの綺麗さが保てると、OLを中心に支持を得ている。『ワークブラ』というネーミングも、働く女性をターゲットにしていることが明確で買いやすいと評判だ。 「ECサイト内にクチコミ機能があるのですが、全ての商品中、最も高い評価をいただいています」(宮澤氏)。ワークブラは全部で5ライン展開しているが、「もう何年も販売しているシリーズ商品よりもダントツで人気ですね」(同)とそのめざましい成長ぶりが伺える。また2011年からAKB48をイメージキャラクターに起用して話題を呼んでいる『ハートブラ』『ドリームブラ』も好調で、こちらもヒット商品となりつつある。

これらの商品から見えてくるのは、「機能性と可愛さの共存」だ。もともとピーチ・ジョンが人気を得たのは、従来には無かった斬新で可愛らしいデザイン性が評価されたこと。「可愛い下着が自宅で手に入る」と、若い女性が支持したからだ。そこに「機能面」を強く打ち出した商品をラインナップに加えることで、新しいニーズを掘り起こした。創業以来、ピーチ・ジョンの下着は着心地にこだわってきたが、これまではどちらかというと、デザイン面に注目を浴びることが多かった。そこで、より「着け心地の良さ、快適さ」といった機能性が目立つ商品を取り入れたというわけだ。今年新たに発売した「ドリームブラ」は、「PEACH JOHN史上最高のブラ」(広報)として着け心地を追求。発売開始からわずか15日間で3万5千枚を売り上げ順調な滑り出しだ。同社が長年培ってきた「可愛さ」「デザイン性」に加え、機能性を強化することで、チャンスを広げていく。

 

 

■ウェブ売上の拡大で、再起を賭ける

現在、アパレル業界におけるEC化率は10%程度と言われており、「下着」という商材で見ると、さらに小さな市場になる。つまり、ことECで言えば、まだまだ伸びしろがあるということだ。先述した通り、若い女性は下着を店舗で買う傾向が強い。こうした女性たちをどれだけオンライン(ECサイト)に引っ張ってこられるかが、ピーチ・ジョンの今後を決めるカギである。ソーシャルメディアの積極的な活用や広告の強化等によって、ウェブ(EC)という世界の中で、新規顧客との接点を拡大していくことが同社の現在の課題だ。 実店舗では、「LINE@」の活用を始めるなど、新たな販促手法も意欲的に取り入れているピーチ・ジョン。創業20年を目前に、ヒット商品の登場と若い世代の取り込みで勢いを見せる同社に引き続き注目したい。

(取材と文 公文紫都)

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■会社名:株式会社ピーチ・ジョン

■設立:1994年6月1日

■ECサイト名:PEACH JOHN

■URL:http://www.peachjohn.co.jp ======================================


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