楽天(株)と日本郵便(株)は5日、再配達削減に向け、自宅での1回受取に楽天スーパーポイントを付与するなど、両社が連携して配達・受取を効率化する取り組みを、年内を目途に開始すると発表した。また、日本郵便が25日から開始する商品を拠点で受け取った利用者にポイントを付与するキャンペーンに楽天が参加し、還元する共通ポイントに新たに「楽天スーパーポイント」を追加した。
日本郵便キャンペーンに「楽天スーパーポイント」追加
楽天と日本郵便は連携を強化し、通販で購入した商品を1度で受け取れる仕組みや施策を検討する。両社が掲げた検討施策は下記の4点となる。
(1)拠点受取サービスの拡充(コンビニ、郵便局、はこぽす、楽天BOXでの受取)
(2)指定場所配達サービスの実施
(3)通知サービスの充実
(4)1回で受け取った際の楽天スーパーポイントの付与
各施策は年内での開始を目指している。
各施策の検討に先駆け、楽天は4月25日から開始する日本郵便のキャンペーンにも参加。同キャンペーンでは、通販で購入した商品をゆうパックで受け取る際、コンビニ・郵便局・はこぽすで受け取れば、「Pontaポイント」「WAON POINT」などの共通ポイントサービスからポイントが付与される。この共通ポイントの1つに新たに「楽天スーパーポイント」が加わった。還元されるポイントは5~50ポイント。
受け取り場所に郵便局2万局を追加
(1)の「拠点受取サービスの拡充」では、楽天出店店舗が日本郵便で商品を発送する場合、これまではコンビニ受け取り・はこぽす・楽天BOXなど、全国約2万6千カ所で商品を受け取ることができた。今回の受け取りサービスの拡充で、全国2万局の郵便局を追加する。
(2)の「指定場所配達サービスの実施」では、商品を購入し、受け取り場所を選択する際、「自宅の宅配ボックス」などの場所を指定できるようにする。
(3)の「通知サービスの充実」では、電子メールやアプリのプッシュ通知などで、商品が届く30分~1時間前に、「1時間後に商品が届きます」などと購入者に連絡し、外出しないように促す。通知時間や連絡方法などは現在検討中。
(4)の「1回で受け取った際の楽天スーパーポイントの付与」は、自宅での1回受け取りを含めて検討している。付与するポイント数も検討中で、日本郵便のキャンペーンの状況も参考にする。同社は「再配達を削減するためには、ポイント還元などのインセンティブをつけることが有効と考えている」と話している。
これらの施策のほか、楽天は出店者に向け、日本郵便を物流会社に指定した際に送料を優遇する「特別運賃」制度を、夏頃を目途に開始する。4月中旬には出店者に案内を開始する予定。物流会社に日本郵便を指定する店舗を増やし、1回受け取りでポイントを付与する対象の楽天会員を広げ、再配達の削減につなげたい考え。
楽天はこれまで、コンビニ受け取りやはこぽす、楽天BOXなど、拠点での受け取り場所を拡大させてきた。独自の宅配ロッカー「楽天BOX」は新橋駅など、路線の乗り入れが多い駅などを中心に全国23カ所に設置している。
楽天は「再配達の削減に向けては、まだまだ改善の余地がある。(日本郵便との)連携をこれまで以上に強化し、さまざま施策に取り組んでいきたい」とコメントした。
(山本 剛資)
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