2019.11.25 コラム
小売業界の仕組みを変える販売モデル「D2C」とは?
インターネットの普及とともに、年々、成長を続けているEC市場。そんなEC市場の成長に大きく関係してくると予想される、新たな販売モデル「d2c」をご存知でしょうか?「B to B」や「B to C」といった販売モデルをご存知の方は多いでしょう。ですが、d2cはどうでしょうか?おそらく、ご存知の方は少ないと思います。なので、今回は、そんな新たな販売モデルであるd2cについて詳しく解説していきます。
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d2cとは?
d2cとは、「Direct To Consumer」の略で、メーカーが直で一般消費者に、売買取引を行うビジネス形態のことを指します。インターネットが普及し、ECが登場したことによって、メーカーが消費者に対して、インターネットを経由して直接的に売買取引を行うことが可能になったことが、d2cが誕生した要因です。
これまでは、消費者が売買取引、つまり商品を購入するためには、小売店などで購入することが一般的でした。たとえば、チョコレートを購入場合には、明治・グリコ・ロッテなどのメーカーから購入するのではなく、コンビニやスーパーといった小売店でチョコレートを購入します。
ですがd2cでは、ECを利用することにより、消費者が直接、明治・グリコ・ロッテなどのメーカーから商品を購入することができるようになりました。また立場を逆にすると、メーカーは仲介業者を挟むことなく直接、消費者に対して、商品を販売することができるようになったので、コスト削減することができます。
d2cが増えた3つの要因
d2cが増えた要因は、3つあります。その要因は、「SNSの普及」、「製造の外注化」、「流行のスピード」の3つです。この3つの要因について解説していきます。
SNSの普及
SNSの普及によって、自社の商品を宣伝することが簡単になりました。さらに、SNSで宣伝を行なったページを経由して、自社のオンラインストアページに誘導することも可能なので、わざわざ小売店に商品を卸さずとも、商品を販売することができるようになりました。
また、オンラインストアの存在によって、リピート客を獲得することもでき、そのリピート客が、SNSで商品を好評すれば、新規顧客の獲得にも繋がります。つまり、SNSの普及により、販促活動を簡単に行うことができ、なおかつ、費用対効果も上がったということです。
製造を外注化
インターネットの普及により、製造の外注化を請け負う企業が、増加しアウトソーシング化が進みました。このアウトソーシングを利用することにより、メーカーは、製造の手間を省くことができるので、販促活動などに注力することができるようになりました。
また、自社で製造を行う必要がなくなり、メーカーとして運営していくハードルが下がったので、d2cを行うベンチャー企業が多く登場しています。
流行の変化スピード
流行の変化スピードは、年々早くなっています。これまでのように、小売店を介して販売を行なっていては、商品開発、納品などに時間がかかってしまうので、その変化スピードについていけません。
ですが、d2cを利用すれば、流行の変化に合わせて、商品開発を行い、すぐに商品を販売することができるので、変化スピードに遅れることなく、対応することができます。
d2cにおけるメリット
d2cにおけるメリットの1つは、消費者に対してブランドイメージをしっかりと伝えられることです。仲介業者を挟まないので、ありのままのブランドイメージを消費者に伝えることができます。ブランドイメージを伝えることもそうですが、直接的に売買取引を行い、消費者との信頼関係を築くことができるのもメリットの1つです。
そして、仲介業者を介して販売を行なっていた際には、詳しい顧客データを得ることができていませんでした。ですが、d2cでは、直接的にやりとりを行いので、詳しい顧客データを得ることができ、そのデータに基づき、販売戦略を練ることができます。これが、もっとも大きなメリットだといえるでしょう。
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d2cで成功している4つの海外事業
続いては、すでにd2cで成功している、4つの海外事業を紹介していきます。
Warby Parker
Warby Parker(ワービーパーカー)は、ニューヨーク発のアイウェアブランドです。企画から製造、販売まで、すべて自社で行なっており、高品質ながらも低価格な商品を提供していることが特徴的です。
また創業当初は、大手アイウェアブランドとの差別化を図るために、眼鏡の種類を10〜20種類に絞り、オンライン販売のみに特化させました。この戦略は、d2cを最大限に活かした革新的なビジネスモデルとして、高く評価されました。
Allbirds
2015年に、サンフランシスコで創業されたシューズブランド「Allbirds(オールバーズ)」。Allbirdsは、インスタグラムを上手く活用して、運営を行なっています。その事例の1つとして挙げられるのが、新規商品の発表を行なった際に、インスタグラムにその商品画像をアップします。
その画像に対する、顧客からのコメントの1つ1つをチェックして、次の製品開発に繋げていっています。顧客からの意見をいち早く取り込み、実際に商品化することで、顧客との信頼性を高めることができ、それが成功へと繋がっています。
Everlane
Everlane(エバーレーン)では、小ロット生産を導入しており、季節ごとのトレンドに細かく対応できるようにしています。ですが、小ロット生産だと、1商品に対するコストが高くなってしまいます。そこで、Everlaneでは、消費者に納得してもらう価格設定ではなく、納得させる仕組みを作りました。
先ほどもお話した通り、小ロット生産では、1商品に対するコストが高いです。そこで、消費者に商品の製造過程をこと細かく開示し、どうしても価格が高くなってしまうことを納得させ、購入意欲を促しました。
Casper
d2cで急成長を遂げた寝具マットレス企業「Casper(キャスパー)」。2018年には、初の実店舗をオープンさせました。創業当初は、オンラインストアに特化していましたが、2つの理由にから実店舗オープンを決めました。1つは、自社店舗であれば、統一された空間を作ることができ、顧客にブランドの世界観を強く伝えられると考えたからです。
もう1つは、顧客に対して適切な商品提案を行えるようにするためです。そのためには、顧客データの一括管理が重要となってきます。そこで、自社で店舗展開することにより、オンラインとオフラインの両方のデータを一括管理することを可能にしました。これによって、データに基づき、適切なタイミングで商品提案を行うことができるようになり、急成長を遂げました。
まとめ
d2cの販売モデルは、ECを利用すれば、誰でも始めることができるので、参入障壁が低いビジネスモデルだといえるでしょう。ですが、参入障壁が低いからといって、誰でも成果を出すことができるわけではありません。成果を出すためには、紹介した成功している企業のような、明確な事業戦略が必要となってきます。なので、d2cでビジネスを展開する場合には、明確な事業戦略を立てるようにしましょう。
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