新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府は3月中旬を目安に催しの中止や延期などを求めている。この方針が引き金となり、イベント開催を変更したり、臨時休業や営業時間を短縮したりする企業が相次いでいる。EC・通販業界も例外ではなく、2つの全国規模の展示会が開催を断念、延期したほか、3月中旬までに予定されていた多くのセミナーが中止・延期やオンラインへの切り替えを決めている。
「健康博覧会」「京都ギフトショー」が延期に
17~19日に東京ビックサイトで予定されていた第38回「健康博覧会2020」は、主催するUBMジャパン(株)が、開催断念を決めた。「健康」を広く扱う展示会で、出展社数は600社。国内外のトレンドの紹介や多くの関連セミナーを予定し、3日間の来場者数は4万人を見込んでいた。延期・中止などの変更計画は改めて報告するとしている。
小売店の売上げ増やECなどの来客数増にもつながり、昨年は「機能性食品・ドリンク(原料・OEM)展」「健康食品・サプリメント展」「健康機器展」「スポーツコンディショニング展」「コスメ&健康美容グッズ展」「オーガニック&ナチュラル・プロダクツ展」などのブースが並んだ。
11~12日の第2回「京都インターナショナル・ギフト・ショー2020」は、延期になった。会場となる京都を中心とした関西のギフト市場の活性化を目的に、国内外のバイヤーを招いた「伝統とモダンとインバウンドの商品見本市」だ。「衣」「食」「住」「法人ギフト」などのカテゴリーに加え、職人の技に焦点を当てた「WAZA博」などの特別企画も予定していた。
昨年の来場者数は延べ2万5000人。今回の出展社数は400社を見込み、13日には、バイヤーが出展企業の工場などを訪れて商談する「オープンファクトリーデイ」の予定も組まれていた。主催する(株)ビジネスガイドは、今後の開催計画は改めて案内するとしている。
人事・採用イベントが完全オンライン開催に
副業仲介サービスを展開する(株)シューマツワーカーは、10日に予定していた人事・採用担当向けイベント「Reiwa Startup Recruiting ~2020年注目スタートアップの採用戦略~」を完全オンライン開催に変更した。ウェビナーツール「コクリポ」を利用するという。
スタートアップ企業にとって「採用」は重要な成長要素の一つと、急成長中のスタートアップ企業や採用支援をしている企業などから、採用チャネルやHRTechの乱立、採用PR、採用業務の複雑化・多様化などの実態を聞き、戦略や材料、施策に生かすセミナーだった。
サイバーセキュリティ月間特別イベントも中止
政府はサイバーセキュリティの普及啓発活動推進の取組みとして、2月1日から3月 18 日までをサイバーセキュリティ月間としているが、この関連イベントも中止となった。
閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は、サイバーセキュリティに対する関心を高めること目的に、秋葉原で3月8日にサイバーセキュリティ月間特別イベントの開催を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、イベント開催を中止した。特別イベントで予定していたステージ内容は、後日 NISC 公式Youtube アカウントで公開されるという。
小売業界でも臨時休業店舗が続出
また、百貨店や商業施設、アパレルブランドの店舗でも臨時休業や営業時間短縮の措置を取るなど、感染拡大抑止のための対応策を講じる動きが一気に広がっている。
大丸松坂屋百貨店は、緊急対応策として3、10、17、24日の4日間を全店臨時休業。この期間の大型物産展なども中止する。高島屋の一部店舗はすでに営業時間を短縮している。三越伊勢丹ホールディングスの6店舗、SHIBUYA109渋谷、MAGNET by SHIBUYA109、ラフォーレ原宿などは2日から、そごう・西武も全15店舗で3日から営業時間を短縮する。
アパレル各社では、「ギンザ・タイムレス・エイト」など三陽商会の直営店は15日まで、ユナイテッドアローズの直営店舗は14日まで営業時間を短縮する。百貨店やファッションビルなどの営業時間変更に伴い、入居店舗は各施設の判断に従う方針を取っており、ルミネ立川店に入るマリメッコが2日から予定していた、オープン3周年記念イベントができなくなるなど、個店ごとにもさまざまな影響が出ている。
■健康博覧会2020
■京都インターナショナル・ギフト・ショー2020
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