2020.04.01 通販会社
アイリスオーヤマ、国内でもマスクの生産開始へ…既存工場に設備導入
コロナウイルスの感染拡大とともに、マスクが品薄状態になって2か月あまり。「欠品中」「入荷未定」が長期化する中、宮城・仙台に本社を置くアイリスオーヤマ(株)は3月31日、同じ宮城県内の角田市にある工場の一部を改修し、6月からマスクの生産を行うと発表した。
角田工場の稼働で6000枚/月を増産
同社は現在、中国の大連工場(遼寧省)と、同蘇州工場(江蘇省)の2拠点で生産ラインを24時間フル回転させ、日本向けに1か月あたり8000万枚を供給している。しかし、刻々と変化する感染状況により、増産が消費の勢いに追いつかない状態だ。
角田工場の生産設備導入で1か月あたり6000万枚が新たに増産でき、合わせて1億4000万枚が国内に出荷される体制になる。同社は、これまで中国に依存していた生産体制を分散し、リードタイムを約2週間短縮できるため、安定供給の体制に寄与できるとしている。
設備投資は約10億円
設備投資には約10億円を見込み、生産アイテムは「不織布マスク」(プリーツマスク、学童用マスク)となり、国内のドラッグストアなどを中心に供給する。同社は今後も、日本国内でのマスクの安定的供給に貢献できるよう、行政や業界団体と連携を図りながら、必要な支援を行っていくとの考えを明らかにしている。
同社は発表前日の30日、マスクが手に入りにくい状況を受け、一般財団法人「東京都人材支援事業団」に50万枚のマスクを供給することを決めた。東京都からの紹介を通じて対応したもので、都内の社会福祉施設などに配布される予定だ。
また、3月11日には、同9日に発足した政府の「マスクチーム」に40万枚のマスクを寄付している。マスクは厚生労働省を通じ、北海道や大阪府などの医療機関を中心に配布されている。
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