楽天インサイト(株)が2日発表した「キャッシュレス決済に関する調査」の結果によると、6月末で終了した「ポイント還元事業」の認知度は9割近くに上り、意識して使った人は7割、事業が終わってもキャッシュレス決済を利用したいと考えている人は7割を超えていた。キャッシュレス決済の普及はある程度進み、事業は促進に一役買ったようだ。
還元事業の認知は9割近くまで伸び
調査は、事業終了直前の6月8日から10日までの3日間、楽天インサイトの登録モニター
の中から、全国の20~60代の男女1000人を対象に実施した。
ポイント還元事業を「知っている」(「よく知っている」「まあまあ知っている」の合計値)」と答えた人は全体の86.5%を占めていた。性年代別で最も高かったのは女性20代(93.6%)。事業への意識と活用については、「キャッシュレスでの支払いを増やした」が46.0%と最も高く、次いで「支払い時に対象の店を選ぶよう意識した」が41.6%と続いた。いずれかの方法で「事業を意識、活用して買い物をした」という回答は70.9%だった。
還元事業意識は20代男性が最も高く
性年代別では、ほかと比べ男性20代(79.7%)が最も高かった一方、男性50代(63.5%)が最も低い結果となった。同居家族の有無でみると、「ひとり暮らし」(65.0%)は、「同居者あり」(72.5%)、「子どもと同居」(74.7%)と比べ低い結果となった。
回答者全員に対し「ポイント還元制度」終了後にもキャッシュレス決済を利用したいと思うか聞いたところ、「利用したい」(「利用したい」「やや利用したい」の合計値)は74.7%だった。一方で、「利用したくない」(「あまり利用したくない」「利用したくない」の合計値)は5.4%にとどまった。「利用したい」を性年代別でみると、男性30代(80.6%)がほかと比べて最も高く、女性30代・50代(それぞれ67.8%、69.2%)で低い結果となった。
6割が今後の「還元や特典」に期待
今後のキャッシュレス決済に期待することは、「ポイントやキャッシュバック、割引などの特典がほしい」が最も高く64.3%。次いで、「より多くの場所でキャッシュレス決済が使えるようになってほしい」(52.8%)、「セキュリティや個人情報の保護が強化されてほしい」(46.2%)が続いた。女性20代・30代・40代(それぞれ71.8%、80.0%、70.9%)で、「ポイントやキャッシュバック、割引などの特典がほしい」が全体と比べて高かった。
事業終了直前の調査だが、日常の買い物などで利用する決済手段(複数選択)の最多は「現金」の88.3%。次いで「クレジットカード」(86.5%)、nanacoやWAON、楽天Edyなどの「カード型電子マネー」(57.6%)、PayPayやLINE Pay、楽天ペイ(アプリ決済)などの「QRコード決済」(53.5%)。「現金」以外を選択した人の理由は、「ポイントが貯まり、使える」(79.0%)、「スムーズに支払いできる」(59.2%)、「事業の対象になるから」(49.7%)が続いていた。
スマホ決済系の利用率は計16%ほど
うち、最も利用する決済手段は、「クレジットカード」が現金を上回り41.8%と最多。「現金」は29.1%となり、「クレジットカード」と10ポイント以上の差があった。性年代別では、男性20代と30代で「QRコード決済」(各69.0%、65.6%)が、全体と比べて10ポイント以上高く、一方、男女60代(各42.2%、30.8%)で10ポイント以上低かった。
キャッシュレス決済の利用で最も高かったのは「ネット通販」の78.7%。次いで「飲食店」(61.8%)、「家電量販店」(56.8%)、「宿泊」(51.9%)。男女60代では「百貨店・デパート」も高かった。今後、さらにキャッシュレス決済手段を利用できたらいいと思う店や場所、サービスなどを聞いたところ、現在利用している場所同様、「ネット通販」が最も高く47.7%。「医療機関」(39.2%)、「飲食店」(37.6%)、「各種税金」(36.0%)が続いていた。
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。