(株)フューチャーショップはこのほど、運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの4~6月流通額が432億円に達したと明らかにした。昨年同期比143.10%の大幅増は、この期間に出された新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言による、外出自粛や巣ごもり状況下でのEC利用が拡大したと考えられるという。
巣ごもり商品で7業種の流通額が200%を突破
また、開店準備中や閉店中の店舗を含めた1店舗あたりの月商平均は549万円(同133%)、うち、期間中の開店継続店舗に限定すると、月商平均726万円(同151.8%)という結果だった。
この状況下、どの業種のEC利用が拡大したかをみると、7つの業種で流通額が同200%を突破したことが分かった。「キッズ・ベビー・マタニティ(285.07%)、「食品」(246.99%)、「楽器・音響機材」(234.82%)、「キッチン・日用品雑貨・文具」(229.36%)、「ワイン・ビール・洋酒」(212.14%)、「インテリア・寝具・収納」(208.06%)、「下着・ナイトウエア」(201.23%)。
この結果から、期間中に販売が伸びた業種は、「生活必需品、日用品」「在宅時間が増加。生活を豊かにしたい」「リモートワーク対応で急きょ手配」という3つの要因が関連したと考察している。
同社は併せて、「コロナ禍での生活者のEC利用状況」について調査。「利用デバイスの変化」「注文件数の変化」「新規顧客利用状況」「購買単価の変化」「決済手段の変化」。巣ごもり期間中に起こった「変化」を、2019年・2020年4~6月の期間中、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出して調べた。
「利用デバイスの変化」については、調査対象となる店舗のスマートフォン経由の購入割合は、期間中すべての月でスマホ経由の購入割合(注文件数)が増加。20年4~6月は67.88%、68.05%、67.07%と推移していた。
「注文件数の変化」は、4~5月の注文件数は昨年同期比約2.3~2.4倍に急増し、自社ECの利用増加が加速した。6月には少し加速が落ち着いたが、それでも2倍。店舗の営業再開や営業時間の正常化が始まったことにより、購入場所が分散されたことの影響とみている。6月のデバイス別では、スマホ経由の加速が落ち着いたという結果が出ていた。
EC・実店舗にこだわらないアクティブなショッピング行動が増加
スマホを中心にECや実店舗、そしてSNSやコミュニケーションツールといった多くのチャネルから情報を集め、最終的に購入する場所はECや実店舗にこだわらないアクティブなショッピング行動は、今後も増加すると予想している。
「新規顧客利用状況」では、期間中は新規顧客利用が急増したことが分かった。理由として、外出して買い物するのが不安なのでECで購入したという人が多かったことが考えられる。6月は実店舗が再開されたが、新規顧客利用は昨年同期比で2倍以上増加するなど、まだまだEC利用の拡大が予想される。
現金・その他決済は3割に減少
「購買単価の変化」では、対象店舗ではまとめ買いによる単価増は見られなかった。特に、緊急事態宣言の影響を強く受けた4~5月は、単価が4~8%ほど減少した。
「決済手段の変化」に関しては、クレジットカード、ID決済の割合が増加し、現金・その他決済は減少。現金・その他決済の比率は3割程度まで減少している。キャッシュレス・消費者還元事業の終了で、今後のID決済やクレジットカードの利用状況に影響を与えることも想定されるが、8月のPayPay(オンライン決済)連携、11月のd払い連携により自社ECでの利用機会が増加し、今後も利用増加が見込まれると予測している。
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