(株)エービーシー・マートがこのほど発表した2021年2月期第2四半期(20年3~8月)連結決算は、売上高が前年同期比27.1%減の1021億5200万円、営業利益が同66.3%減の85億3800万円、純利益は同68.0%減の55億4200万円となった。
在庫の評価減17億円超を計上
同社はシューズ専門店「ABC-MART」を国内外で展開。新型コロナウイルスの影響により、今期も四半期開示以来初めての減収となった。利益面では、コロナ禍で滞留した商品を今期中に消化するため、在庫の評価減を前年同期末の3倍強の17億2300万円計上した。
こうした状況下、同社グループはIT戦略、オンライン販売の強化をはじめ、スポーツシューズやスポーツアパレルを含めたライフスタイルカジュアルの拡充に対応。新規出店ついては国内外合わせて34店舗、上期で64店舗となり、四半期末の店舗数は計1377店舗となった。直営店の集客が厳しい状況下、オンライン販売を強化する取組みを実施している。
ECはGRAND STAGEアプリ好調で4割強の伸長
「国内」の売上高は前年同期比30.2%減の703億1700万円、セグメント利益は同63.9%減の77億6400万円。四半期売上高は全店で同8.6%減、既存店で同8.4%減となり、上期の売上高は全店で同30.1%減、既存店で同16.2%減となった。
売上高増収率は、5月下旬の緊急事態宣言の解除以来、休業していた店舗がほぼ全店で再開したが、感染拡大第2波への懸念から夏休み需要が取れず、都心部・観光地を中心に客数が減少した。一方、オンライン販売は、前年同期比で4割強の伸びとなり、特に「GRAND STAGE」のオンライン販売が、アプリからの利用者の急増により好調に推移した。
販売面では、外出自粛から近場への外出へと生活スタイルにも変化が現れ、ウォーキングシューズやランニングシューズの需要が高まり、学校の再開によりキッズシューズが好調だった。大型のショッピングセンターを中心に12店舗の出店を行い、6月には「VANS STORE」の都市部旗艦店を東京・原宿にオープンした。
海外売上は19.3%減…韓国単体は23.7%減
「海外」の売上高は前年同期比19.3%減の322億5200万円、セグメント利益は同 80.5%減の7億4100万円。いずれの国もコロナ禍の影響による都市部の回避、外出の減少が続いており、韓国の売上高は同 23.7%減の210億3800万円、台湾は同7.9%減の34億5500万円、米国は同10.3%減の77億5800万円となった。店舗展開は、韓国で20店舗、台湾で2店舗の新規出店を行い、今期末の店舗数は、韓国287店舗、台湾51店舗、米国6店舗の計344店舗となった。
EC→店舗受取の拡充など相互連携を強化へ
21年2月期の通期業績予想については、売上高が前期比19.0%減の2206億円、 営業利益は同59.0%減の178億円、純利益は同58.9%減122億円を見込んだ。コロナ禍は今期中の事態収束には至らないと予想するが、都市部や生活圏など立地に応じたMD展開、デジタルを活用した販売促進により、国内需要を喚起する取組みを実施する。
同時に、オムニチャネル戦略の強化や、スマホ向け公式アプリのリニューアルを機に、アプリ会員の顧客情報を基にダイレクトマーケティングを実施。商品提案に活かす取組みを実現するため、商品情報と顧客データを一元管理するIT基盤の構築・整備を進める。オンラインで購入した商品の店舗受取サービスをさらに拡大することで、店舗とオンラインの相互連携を深め、新規顧客層の開拓と双方の販売機会ロスのさらなる極小化を進める方針だ。
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