(株)アイスタイルはこのほど、連結子会社の(株)アイスタイルトレーディングを通じて、中国ネット通販最大手のアリババ・グループとともに、日本のコスメブランドの中国市場進出を支援する「Tmall Global×@cosme 中国直輸出プロジェクト」を開始し、Tmall Global内の海外直送店舗に@cosme専用ページを開設すると発表した。
中国進出の投資額高騰やインバウンド需要の激減からプロジェクト開始へ
中国の化粧品市場は近年、年平均成長率12%以上と拡大を続けている。しかし、事業者間の競争は激化しており、特に新たに市場参入してプレゼンスを得るには、プロモーションなど莫大な投資が必要であることが、多くのブランドにとって参入障壁となっている。
一方で日本国内市場も、新EC法の施行によるソーシャルバイヤーの減少や新型コロナウィルスの感染拡大による観光客の渡航制限によるインバウンド需要の激減など、課題を抱えている。これらの課題を解決し、化粧品ブランドが新たな市場を開拓する手段として、「中国直輸出プロジェクト」を開始することとなった。
日本の倉庫から直接配送、天猫国際に「日本直送@cosmeモール」開設
中国直輸出プロジェクトは、従来の越境ECと異なり、日本の倉庫から直接中国の生活者に商品を届ける仕組みだ。販売の場として、Tmall Global内の海外直送店舗に@cosme専用ページ「Tmall Global(天猫国際)日本直送@cosmeモール」を開設。同時に、アリババグループの越境ECであるKAOLAにも@cosmeの直送店舗が出店する。KAOLAは、越境EC大手プラットフォームでTmall Globalと人気を二分するサイトでもあり、ここでも取り扱いが可能になる。
越境ECの仕組みを利用する場合、保税区の倉庫は在庫を自由に入出庫できないことから、ブランド側が大きな在庫リスクを抱える必要があることに加え、そもそも中国ですでに認知度のある商品しか納入が許可されにくい傾向がある。
一方、直輸出モデルでは、委託販売の形式で日本国内のアリババの倉庫で在庫管理するため、在庫の調整が容易にでき、中国での認知度が低いブランドでも、テストマーケティングとして少量の在庫で柔軟に中国市場への進出が可能となる。また、倉庫利用料の90日間無料や輸出作業の代行や販促施策としての継続的なライブコマースの実施など、市場参入を包括的にサポートする。
@cosmeは中国の生活者の認知と信頼を獲得
アイスタイルは2012年から中国市場に参入し、15年から越境ECのTmall Globalに「@cosme旗艦店」を出店している。18年にはアリババグループが主催する「Tmall Beauty Award 2018」で、「年度権威口碑排行榜賞2018(最も権威のあるクチコミランキング賞)」を受賞し、19年からは両社共同で日本の生活者の支持を受け、中国の生活者にも人気の商品を表彰する「@cosmeベストコスメアワード with Tmall 2019」を実施するなど、中国の生活者の認知と信頼を獲得している。
他方、アリババグループは中国最大のECプラットフォームTmallを運営。中国の調査会社Analysysによると、18年の流通総額(GMV)で、Tmallは世界最大のB2C-ECプラットフォームとなり、速いスピードで成長し続けており、多くのグローバルブランドおよび中国ブランドや小売業者がTmallに店舗を開設し消費者に商品を提供している。.
このような強みを持つ両者が協働プロジェクトとして直送サービスを提供することで、日本の化粧品ブランドと中国の生活者の出会いを創出していきたいとしている。
アイスタイルは「中国直輸出プロジェクト」について、化粧品ブランド向けのオンライン説明会を実施する。日程は22、23、26、27日を予定している。
■「中国直輸出プロジェクト」ウェビナー詳細・申込みフォーム
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