オイシックス・ラ・大地(株)がこのほど発表した2021年3月期第3四半期(20年4~12月)連結決算は、売上高が前年同期比42.7%増の747億9000万円、営業利益が同283.8%増の61億3100万円、純利益が同460.4%増の39億円となった。
コロナ禍で会員数約1万人増、増収に
今期もコロナ禍に伴う変化対応を優先的に実施。上期に比べて宅配ニーズの高まりは段階的に落ち着きつつあるが、会員数は順調に増え、増収につながった。会員数は「Oisix」を中心に新規獲得が好調で、解約率も抑制できていることから、「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」を加えた3ブランドを合わせ、第3四半期単体で約1万人の増となった。
ARPUは、年末のコロナ第3波の影響などによる巣ごもりニーズの高まりで、おせちやケーキなどの高単価食材の売上が好調で、前年同期比7~15%増。帰省自粛のため、特におせちや特別感のある鍋などの年末年始商材は、全社計で前年比40%を超える伸びとなった。
第4四半期には大規模プロモーション費用の投下も
利益面では、上期に引き続き売上増による利益増に加え、ARPUの上昇による物流・配送の効率化でセグメント利益率が良化した。来期への先行投資として、第4四半期に未消化分を含めた大規模なプロモーション費用の投下を行う予定でいる。
コロナ禍に伴う変化対応は、ニーズに沿った商品・サービスの提案にとどまらず、食品サポート企業と連携して医療従事者に食品を無償支援するプラットフォーム「WeSupport」の活動も今期ならでは。12月末時点で支援先医療機関は90機関を超え、支援食数は約46万食。食品の協賛額は定価換算で累計4億円を超えている。収支の枠を超えた社会活動の一環だ。
3事業とも好調、大幅な増収増益に
ネットを通じて食品・食材の直販を行う宅配事業「Oisix」は、売上高が前年同期比39.6%増の 370億3600万円、セグメント利益は同115.0%増の70億1200万円となった。会員数は前期末の23万9837人から、今期末には28万5168人に増加。購買頻度・単価ともに前年同期を上回り、売上・利益ともに大きく増加した。第1四半期に発生したキャパシティ逼迫による新規獲得の休止で新規販促費用が大幅に未消化となり、利益は特殊に増加した。
カタログやネットを通じて食品・食材の直販を行う宅配事業「大地を守る会」の売上高は前年同期比35.6%増の107億6100万円、セグメント利益は同67.3%増の18億9800万円となった。会員数は前期末の3万7127人から、今期末には4万4998人に増加。購買頻度・単価ともに前年同期を上回り、売上・セグメント利益ともに大幅な増加となった。
同じく、カタログやネットを通じて食品・食材の直販を行う宅配事業「らでぃっしゅぼーや」は、売上高が前年同期比19.7%増の136億5300万円、セグメント利益は同22.4%増の24億4900万円。会員数は前期末の5万6935人から、今期末には6万1518人に。こちらも購買頻度・単価ともに前年同期を上回って推移し、売上・セグメント利益とも増加した。
通期予想を上方修正、4倍の利益増見込む
EC化率の上昇により消費者ニーズが底上げされた状態も後押しし、顧客基盤の拡大や商品の付加価値向上など、事業フェーズに即した施策を実行してきた結果、前回予想より会員数・ARPUの落ち込みは限定的に推移。また、リアル事業や関連会社のマイナス影響も回復が見通せたとし、21年3月期(20年4月~21年3月)の通期予想を上方修正した。
売上高は900億円から975億円(前期比37.2%増)、営業利益は50億円から65億円(同163.5%増)、純利益は25億円から40億円(同406.2%増)をそれぞれ見込んだ。
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