(株)ナルミヤ・インターナショナルがこのほど発表した2021年2月期(20年3月~21年2月)連結決算は、売上高が前年同期比10.5%減の295億1100万円、営業利益は同37.7%減の10億3700万円、純利益は同60.3%減の3億9600万円となった。
第3四半期以降に営業利益が回復
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、上半期は大きく業績を落とした。第3四半期は、消費マインドが徐々に高まり、業績は一時回復基調となった。しかし、第4四半期に入ると同時に再拡大が顕著となり、1月には緊急事態宣言の再発出で厳しい状況となった。
販売状況は、上期から実施したECチャネルへの投資加速と在庫の集約、百貨店の不振3ブランドの撤退などの構造改革が奏功し、第3四半期は営業利益が前年同期比32.3%増と大きく回復。第4四半期はECチャネルの売上がさらに拡大した。
ECが47.6%増、売上構成比は約30%に
今期大幅に躍進したECチャネルは、視認性と利便性の向上を目標とし、自社サイトの改善改修に努めた。新サービスとして、クリック&コレクト(EC決済と店舗受取)、チャット接客(販売員によるリモート接客)、自社オンラインショップ専用アプリのリリースなどを導入。新規会員数の増加で、事業基盤の強化にも貢献。会員数は72万人と前期比47.6%増となった。
チャネル別売上高では、百貨店が前年比29.2%減、ショッピングセンターが同29%減と減少するなか、ECは46.2%増と大きく伸長した。売上全体の構成比では、ECが同10.8ポイント増の29.3%を占めた。
また、 主力ブランドである「petit main」では、プティプラセットや、ミッフィーコラボ商品といった大ヒットアイテムが生み出され、「ANNA SUI mini」や「Lovetoxic」では、人気アニメのコラボ商品を発売したことなどで業績は回復。営業利益は前期比47.6%となった。
出退店状況は、百貨店26店舗、ショッピングセンター12店舗、アウトレット1店舗を出店する一方、百貨店161店舗(売り場数×ブランド数)、ショッピングセンター3店舗を退店した。
ECへの投資と店舗改革で次期業績は過去最高の数値と予想
ECへの投資と直営店舗のさらなる構造改革、ヒット商品の創出、サプライチェーンのさらなる短縮化などにより、22年2月期の通期業績予想は、売上高が345億円(前期比16.9%増)、営業利益が17億2000万円、純利益は10億200万円とし、上場以来の最高を見込んだ。
具体的には、ECチャネルで、現状の受注数・出荷数の処理能力拡大と物流コストの削減をめざして、物流拠点の移管を行う。従来の成長トリガーであったSCチャネルでの出店は慎重を期して6店舗を予定。まずは既存店舗の売上回復に注力する。
また、SNS一層活用して、顧客へダイレクトに情報が届くような工夫を施す。百貨店チャネルでは、SCブランドである「petit main」の出店などにより、業態ミックスを進める。競合他社にはない、さまざまな販売チャネルを生かし、ウィズコロナの環境下、選択と集中を徹底し、長期的かつ持続的に企業価値を高める取り組みを強化していく方針だ。
22年2月期のスタートとなる3月度は、春物から夏物衣料、新学期関連商品が好調に推移。既存店売上高は前年同期比40.7%増、全店の売上高は同39.2%増となった。チャネル別では、ECが同37.6%増、百貨店は38,6%増、SCは同45.3%増となっている。
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。