(株)フューチャーショップはこのほど、運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの2021年1~3月の流通額が433億円(前年比154.22%)となり、20年度の流通総額は同148%を記録したと発表した。コロナ禍の影響などで、生活者のEC利用が本格化した1年となった。
流通額の業種1位は「車用品・バイク用品」、2位は「ゲーム・おもちゃ・ホビー」
四半期ごとの流通額は、第1四半期が432億円(143.10%)、第2四半期が382億円(140.57%)、第3四半期が451億円(152.51%)だった。futureshopシリーズ稼働店舗数は20年4月の2500から21年2月には2800を突破。同社は、生活者のEC利用機会とともに、企業のEC投資も加速したと振り返っている。
1~3月の流通額の上位業種(対前年比)は、「車用品・バイク用品」(320.12%)、「ゲーム・おもちゃ・ホビー」(262.23%)、「スイーツ」(163.33%)、「インテリア・寝具・収納」(161.33%)、「食品」(159.74%)の順。この1年の傾向に大きな変化はなかったが、「スイーツ」「食品」の高い伸びは、お取り寄せ需要の継続的な高まりや、調査期間中のバレンタインデーやホワイトデーなど、イベント用のEC利用が増加したことが推測される。
注文件数は1月が最多で、2・3月は減少
生活者のEC利用はどう変化しているのか。1、2、3月の注文件数が各100件以上の500店舗を抽出し、各月の「注文件数の変化」「購入単価の変化」「新規顧客利用状況」「決済手段の変化」について前年同月と比較調査した。
「注文件数の変化」については、「デバイス全体」では161.79%⇒147.15%⇒134.11%。「スマホ経由」が175.57%⇒157.06%⇒143.12%、「PC経由」は同144.35%⇒134.13%⇒122.21%。20年は月を追うごとに外出機会が減少。実店舗の買い物が減り、EC利用機会の増加につながった。その影響で前年比では1月が最も高く、3月に向かうに連れて減少傾向にある。
新規顧客の利用は1月が最多
「購入単価の変化」では、「スマホ経由」が1万1554円(103.82%)⇒1万1556円(101.44%)⇒1万1719円(110.43%)、「PC経由」が1万3517円(103.65%)⇒1万3612円(102.82%)⇒1万4275円(108.55%)となった。3月は他の月より高い結果となった。昨年はステイホームの呼びかけでEC新規顧客が増加、今年は既存顧客の購入が増加したため、単価自体は他の月と変わらないものの、前年比では高い数字が出たと予想している。
「新規顧客利用状況」は、178.67%⇒151.06%⇒139.84%となった。「注文件数の変化」と同様に1月が高く、3月に向かうにつれ増加率が低下。昨年3月から徐々に新規EC利用が増加していたと推測している。
店舗のキャッシュレス利用が約4分の3に
「決済手段の変化」は、「クレジットカード」が136.97%⇒126.66%⇒120.82%、「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ、Apple Pay、PayPay)」が145.23%⇒139.86%⇒130.36%、「現金・その他」は107.81%⇒104.35%⇒105.28%となった。
決済方法を3つとも提供している332店舗への調査では、キャッシュレス利用が約4分の3を占め、中でもID・QR決済利用が3割を超えていた。EC利用でもID・QR決済の利便性や、各サービスのプロモーションに応じた利用がさらに浸透しているように見受けられる。
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