2022.02.04 コラム
リターゲティング(リタゲ)広告の意味とは?成功事例やITP対策の影響を説明
リターゲティング広告とは、サイトに訪れたことがあるユーザーに再訪を促進するweb広告手法の一つです。業界では「リタゲ」と略されることが多いです。「ネットをしていると何度も同じサイトの広告を見かける」という経験はだれしも持っているかと思いますが、これはリターゲティング広告によるものです。本記事ではリターゲティング広告の具体的な配信方法や注意点について解説します。
リターゲティング広告の仕組み
リターゲティング広告は自社商品ページや運営サイトなど、自社ページに一度興味を持って訪れたユーザーに対して、ピンポイントで広告を配信することができます。「サイト内の特定のページ」「特定のURLを含むページ」など条件を定義づけすることで、よりカスタマイズされたターゲットへの配信も可能となります。
リターゲティング広告を配信するためには、サイト上で「Cookie(クッキー)」を収集する必要があり、クッキーの情報を基に広告を配信します。Cookieとはブラウザ上でユーザー端末にデータを記録して保存しておく仕組みのことなのですが、サイトに埋め込まれた計測タグがこれらの情報を収集します。そのためリターゲティング広告を配信するには、あらかじめタグを埋め込んでおく作業が必要です。
多くの企業がリターゲティング広告を行う理由として、初めてサイトを訪れるユーザーよりも、以前に何らかの興味や目的を持ってサイトを訪問してくれたユーザーの方がコンバージョン(=CV、成約や成果)につながる可能性が高いと考えられるからです。商材によっては検討期間が長くなるケースもありますので、定期的にアプローチするメリットは大きいと言えます。
リターゲティング広告の始め方
購買意欲高いユーザー訪問ページに限定
リターゲティング広告配信のやり方ですが、まずは配信媒体でリターゲティングタグを発行するところから開始します。前述の通り、ユーザーのcookieを記録して配信対象ユーザーのリストを自動生成していくのですが、これを行うために事前に計測タグをサイトに設置しておく必要があります。
基本的には自社サイトのすべてのページに設置します。どのページに訪問した場合でもリターゲティングの対象とできるように、ユーザーが訪れる可能性があるページを網羅しておくためです。また、「特定のページに訪れたユーザー」として個別のリストを作成することもありますので、入り口ページだけではなく、すべてのページにタグを設置するのが望ましいです。
個別リストを作成する例として「TOPページ」と「商品購入ページ」の2つのページでリターゲティングリストを作成するとしましょう。
基本的には「TOPページ」よりも「商品購入ページ」まで進んだユーザーの方が購入意欲は高いと考えられます。そのためリターゲティング広告の予算を限られている場合などは、より購入する可能性が高い「商品購入ページ」に進んだユーザーを対象に広告を配信するケースがあります。
また、リターゲティング広告の配信方式は、バナー広告とテキスト広告が主になります。配信される場所はサイト内の各媒体の広告枠に表示されます。ユーザーが他のウェブサイトを閲覧しているタイミングでリターゲティング広告を目にすることで、再度サイトを訪れてもらうことを想定することができます。広告はアプリ内や各サービス内に表示されることもあり、配信される枠は非常に多いのが特徴です。
リタゲ運用の成功事例(アパレルEC)
EC・通販会社でリターゲティング広告を実際に利用した企業の例をあげ、運用事例として内容を見ていきましょう。
とあるアパレル通販会社では、ECサイトへのアクセス数に対して売り上げが伸びないことが課題として考えられていました。商品詳細ページまで誘導することはできていても、そこから購入に繋がらないユーザーが多数いるため、再度購入を検討する機会を増やすための手段としてリターゲティング広告に着目しました。
リターゲティング広告の施策としては、一度サイトを訪れたユーザーに広告を表示させるというものだったのですが、そこで2つの工夫を取り入れて購入率の改善に成功しています。
その方法の1つ目が、商品カテゴリ毎にリターゲティングリストを作成し、また商品カテゴリに関連するバナーを作成して配信するというものです。具体的にはレディースのアクセサリー商品ページを閲覧した人には人気アクセサリーのバナーを、アウター商品ページを閲覧した人には人気アウターのバナーを表示させるといったものです。結果それぞれのカテゴリで再訪ユーザーからの購入につなげることができています。
2つ目はリターゲティングバナーに期間限定キャンペーンの訴求を掲載し、購入意欲を高めるといった手法です。そもそも一度興味を持っているユーザーなので、キャンペーンを打ち出すことで再訪率が上がるといった狙いがあります。こちらも結果として初めてサイトに来たユーザーよりも、再訪ユーザーの方が購入率が高く、施策は成功したといえる事例です。
ECサービスでは通常のサービスよりもカテゴリ分けがしやすく、リターゲティング施策も細かく実施できるメリットがあります。加えてリターゲティング広告に特化したキャンペーンを打ち出すことで購入率の改善が期待できます。
よくある質問
Q1.「リマーケティング広告」とは?
リターゲティング広告について調べていると、「リマーケティング広告」というワードが目に入ると思いますが、これらの意味は同じになります。
これは広告媒体による名称の違いで主にGoogle広告ではリマーケティング広告、またYahoo!ディスプレイ広告(YDN)ではリターゲティング広告と呼ばれます。そのため少し混乱してしまうかもしれませんが、上記の2つの言葉の意味は同じと覚えておけば問題ありません。
Q2.「リタゲ」「リマケ」とは?
似たような表記で「リタゲ」や「リマケ」という言葉も多く使われています。これらはそのまま「リターゲティング広告」「リマーケティング広告」の略称として使われます。
慣れてくると自然に意味が分かる言葉ですが、口頭で「リタゲ広告」と言われることも多いと思いますので、少しずつ使い慣れていくと安心です。
Q3.「ITP」「クッキー規制」とは?
前述のようにWEB施策としてメリットの大きいリターゲティング広告ですが、近年発表された「ITP対策」によって大きな打撃を被った企業も多いので、同ポリシーについて理解しておきましょう。
「ITP対策」とは、ユーザーのセキュリティ対策として、ユーザーの閲覧履歴を利用したシステムを規制する目的で実施されました。リターゲティング広告はユーザーのcookie情報を基にターゲティングを行うため、このような規制が行われることでターゲティングの精度が高められないことが懸念されています。
Cookieには「ファーストパーティー」と「サードパーティ」の2種類がありますが、問題視されているのは「サードパーティ」型のCookieです。簡単に説明すると、サードパーティのCookieを利用することで、ユーザーのインターネット上の行動を横断してトラッキング(追跡)できるようになります。この点がプライバシーの観点から欧米を中心に規制が強まっているため、マーケティングへの影響が懸念されています。
Cookieには「ファーストパーティー」と「サードパーティ」の2種類がありますが、問題視されているのは「サードパーティ」型のCookieです。簡単に説明すると、サードパーティのCookieを利用することで、ユーザーのインターネット上の行動を横断してトラッキング(追跡)できるようになります。この点がプライバシーの観点から欧米を中心に規制が強まっているため、マーケティングへの影響が懸念されています。
「ITP対策」はリターゲティング広告に限らず、あらゆるWEB施策に影響が生じるとされています。例をあげると以下のような課題があります。
・アクセス数や広告データなどの正確な計測を妨げる
・ユーザー情報を収集に規制がかかるためターゲティング広告全般の精度が下がる
・リターゲティング広告をはじめとするcookieデータを基にしたデータ分析が困難になる
現状では、「ITP対策」による影響を避けるのは難しいです。とはいえ、そのなかで可能な限りデータを有効活用する工夫が必要となります。企業が運営する計測ツールでは、cookie規制の影響を最小限に抑える手法でデータ解析を行えるシステムが組み込まれているものもあります。
Googleアナリティクスを活用するなど身近なところでもデータを選定し、リターゲティング広告を含む手法に活かしていく工夫を行ってみましょう。
また直近の情報についてはこちらをご確認ください。
▽【年商10億以上を目指す単品通販事業者様必見!】EC業界イマの市場環境とは?
Q4. リタゲ広告の注意点とは?
リタゲ広告の注意点は2つ。ユーザーに不信感をもたれるリスクと、潜在的なニーズを持つユーザーにはリーチできないという点です。
まず、自分が以前に閲覧したサイトの商品が、違うサイトを訪問した際に表示されることに嫌悪感を持つユーザーも多くいます。そのため、過度なリタゲは商品やサービスへのイメージを損ねるリスクもあります。
また、あくまで自社ページを訪れており、すでに「自社を認知しているユーザー」にしか広告配信できません。当然ながら、まだ自社を知らない潜在層に知ってもらうためには、インサイトを汲み取るなど、異なった施策が必要となります。
※インサイトの意味や発見する方法はこちらから
リターゲティング広告についてまとめ
リターゲティング広告は一度サイトを離れたユーザーにアプローチできる手法として、取り入れている企業が多いです。
ITP対策など今後ユーザーデータを活用した広告手法がどのような影響を受けるか懸念はあるものの、通販会社をはじめとする多くの業種では、引き続きリターゲティング広告を活用した施策が行われています。
「CVが上がらない」と悩んでいる担当者の方にとって、試す価値のある施策ですので、ぜひ実施を検討してみてください。
リターゲティング広告関連の資料
リターゲティング広告について、さらに詳しく知りたいという方は、こちらから資料ダウンロードができますのでご確認ください。
▽リターゲティング広告関連の資料一覧
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「まずはリターゲティング広告の情報収集から始めたい」という方は下記より関連記事をご確認ください。
・「リターゲティング広告」関連記事一覧
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