2021.07.20 コラム
「コンプライアンス≠法令遵守」!…考え方と実践企業の例
コンプライアンスとは一般的に企業の法令遵守と捉えられがちですが、近年は法律だけでなく企業規則から社会的なルールや倫理観に沿った企業活動を行うといったニュアンスで用いられます。わかりやすいコンプライアンスポリシーを掲げる企業を例示しながらコンプライアンスに関する考え方を解説します。
コンプライアンスとは?
コンプライアンスとは、もともと指示や命令、要求等に従うことを意味する単語です。前述のように、日本では「法令遵守」という認識で使用されることが多く、企業や団体においても度々コンプライアンスというワードを耳にすることがあります。
コンプライアンスと聞くと「法律を守る」という意味を想像する人も多いと思いますが、実は法律だけでなく、企業内のルールまたは規則、社会的マナー、社会規範、その他企業間の取引における規約や要請においても、同じような意味合いで使用されることがあります。
そのため「法令遵守」という認識は間違いではありませんが、さらに幅広い場面で使用されているということも覚えておきましょう。
特に企業におけるコンプライアンスは、大きな役割を持ちます。企業におけるコンプライアンスは「社会的責任」といった考え方が一つのキーワードとなるでしょう。多くの顧客から信頼されるべきである企業が、コンプライアンスを無視した取り組みを行った場合、社会的信用を大きく下げることになります。過去にも「偽装」や「隠ぺい」といった、企業の利益だけを優先した行動により、多額の損失や倒産に追い込まれてしまった企業も少なくありません。
そういった事例により、近年ではコンプライアンスが企業経営において重要視されるようになりました。単に法律を守るだけではなく、社会的ルールや社会道徳を意識した取り組みを行うことが、利益を上げるために必要不可欠になっているといえるでしょう。
なお、近年になり「ガバナンス(統治)」という言葉を耳にする機会も増えました。ガバナンスとは企業が自らを統治するという主体的な姿勢を意味しています。コンプライアンスは社会から求められるモラルを遵守するという意味合いがあることを考えると、ガバナンスとは、企業が「コンプライアンス」を追求するために必要な要素であるといえます。
企業が特にコンプラ強化すべきこと
コンプライアンスの意識を強化するために、企業はどのような取り組みを行うべきなのでしょうか。
第一に、企業活動を展開するなかで無視することができない法律について、遵守の徹底を図ることが大切です。まず会計関連や社員の働き方(労働基準法)、セキュリティ対策(個人情報保護法)などを理解していることが大前提となります。
その他、業種によって関わってくる法律が異なりますので、それに応じた法律遵守が必要なことはいうまでもありません。例として、銀行であれば銀行法、通販事業であれば特定商取引法や景品表示法などがあげられます。
社内においては、コンプライアンスに対する社員の意識を教育していくことも重要です。企業のトップがコンプライアンスについて正しく理解し、メッセージだけではなく行動で示していくなど、積極的な姿勢が必要でしょう。
具体的には就業規則などの規則を整備すること、コンプライアンスに関わる問題が発生しそうなタイミングで全体周知を行うなど、組織づくりに向けた取り組みが求められます。社員向けのコンプライアンス研修を行うなども効果的です。
企業のなかには「コンプライアンス推進部門」を設置し、専門的な組織づくりを行っている企業もあります。推進部門が先だって状況確認や対応報告、問題処理を行うことで、迅速な問題解決が期待できます。加えて、コンプライアンスに対する社内の意識を醸成するうえでも効果的です。
法律外のコンプライアンス…avexの例
次に社内規則や社会通念上のルールを守るということもコンプライアンスを守るということに繋がります。例として、avexのコンプライアンスポリシーをみてみましょう。
▽Avexコンプライアンスポリシー
avexのコンプライアンスポリシーは、「インチキするな」「弱いものイジメするな」「嘘つくな」など、平易は言葉を使用して伝えています。難しいことを並べることで本質を見えにくくすることなく、分かりやすい言葉と文章で社員に訴えかけていることが分かります。
「不透明な企業間競争」「会社の正当な利益に反して、自己や第三者の利益を図るような行為」「営業活動における不正な手段」などの行為を「インチキ」と称し、「差別」や「強要」をする行為を「イジメ」と称するなど、誰でもイメージしやすい言葉を並べているため、具体的な行為をイメージしやすく、善悪の判断が付きやすいように工夫しているといえるでしょう。
企業や業種によっても求められるコンプライアンスは異なります。しかし、社内でコンプライアンスに対する考え方を明文化し、従業員に自分ごととして捉えてもらうことで、企業は社内外からも透明性ある組織として信頼を獲得することにつながります。
近年では社会的責任を欠いた企業に対して「不買運動」などが起きやすくなっています。SNSで企業に対する評価が共有されやすいいま、改めて企業のコンプライアンス観を再考する必要があります。
コンプライアンスの考え方まとめ
コンプライアンスの意味や企業が取り組むべきこと、他社の参考事例について解説しました。
コンプライアンスは近年の企業経営において無視できない考え方ですが、なかには間違った認識を持っている、あるいは「そもそもコンプライアンスをあまり意識したことがなかった」という担当者も少なくありません。
しかし、コンプライアンスを守るということは社会的信頼を得るだけでなく企業利益にも繋がるということを忘れるべきではありません。企業内でも社内規則やルールを適切に伝えていく取り組みが今後さらに重要となってくるでしょう。
企業で決裁権を持つ方々は、他社の事例やコンプライアンスポリシーを参考に、社内でコンプライアンスに対する認識を浸透させる方法をいまから考えておくことが大切です。すでに社内規則などを設定しているという方も、ニューノーマルへの移行が進むコロナ禍において、一度自社のコンプライアンスポリシーが最適なものであるかを見直す時間を取ってみましょう。
コンプライアンス関連のお役立ち資料
ECや通販などのBtoC事業を行う企業にとっては、キャンペーンなどの広告関連において景品表示法(景表法)、薬機法などといった法律違反はもとより、コンプライアンス違反によるイメージダウンは避けたいところです。
当サイトでは広告に関する規制やコンプライアンス遵守に役立つ資料を多数掲載しています。ぜひご確認ください。
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