2021.10.19 マーケティング
まるでRPG内のお買い物?次世代EC「体験型オンライン店舗」とは
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RPG(ロール・プレイング・ゲーム)などでは、自分が操作するアバターが武器屋で店内の陳列を見たり、店主と会話をすることによってモノを買うことができるという場面がしばしばある。前述したのはゲーム世界の話だが、現実世界の物販購入でも同様の体験ができる時代が到来している。ユーザーが操作するアバターが、オンライン上の仮想空間のお店の中を歩き回ったり、店員と会話をしたりして買い物をするという場を設けることができるのだ。ギグワークスアドバリュー(株)が提供する「体験型オンライン店舗サービス」が実現する。
アバターが画面上のお店で買い回り!
”リアル店舗同様の体験の提供”をコンセプトとした「体験型オンライン店舗サービス」はバーチャルなお店をオンライン上に設置し、リアル店舗同様に「商品を見て」「説明を聞いて」「購入」ができるというものだ。販売事業者側が画面上に設けたリアルに近い仮想のお店を、ユーザーはアバターを操作して買い回りを行う。従来型の画像やテキストコンテンツなどを中心とするwebページのECではなく、RPGのゲーム画面のような「お店」の仮想空間を用意し、その空間で買い物ができるようにし「リアルな買い物体験」を提供するのだ。
よりサービスをイメージしやすいように「GWAVコスメ百貨店」というバーチャル店舗があったとして、「体験型オンライン店舗サービス」での買い物体験をたとえ話で解説する。そのお店の全体像が以下の写真だ。自分は記載された赤枠の女性の丸アイコンのアバターを操作している。
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まず画面左上の緑枠の女性アイコンに近づけると、
「何かお探しですか?こちらではベースメイク・メイクアップ用品のご説明を承ります!」と音声で話しかけてきてくれた。次いで緑枠の女性アイコン奥のディスプレイに表示されている商品を案内してくれた。画面上では、商品画像が大写しになり商品概要をテキストでも説明してくれた。画面表示からカート投入をした。
画面上では右クリック操作をするとメニューが表示され販売員から画面共有を受けたりテキストベースのメモ共有を受けたり、動画共有ができる機能が表示された。緑枠の女性アイコンの販売員とあらゆる機能を駆使してコミュニケーションが図れた。
次にアイコンのないディスプレイのまえにアバターを近づけると、それぞれ商品説明や動画の閲覧ができた。
最後に右端のコの字型となっているカウンター方面にアバターを近づけた。するとカート内商品の購入決済をする画面に遷移できた。ここからは一般的なECと同様に決済を完了したーーー。
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・・・と、このようにリアル店舗と近い買い物体験を、RPGの中でのお買い物のように実現できるのが「体験型オンライン店舗サービス」だ。
リアル同様のシームレスな会話も
まず一般的なECサイトとは仕組みからして違う。通常のECサイトは、商品が一覧として並んでおり、個別の商品ページで写真や説明文を閲覧して購入検討を行う。同サービスで設けられる「お店」は、仮想空間上のお店でレイアウトを用意していく。例えば前述のように画面上に商品ごとのディスプレイを設置したりして売り場づくりを行う。
お店の中に店舗スタッフのアバターを配置できるというのも特徴だ。スタッフはアバターを通じてお客さまから質問を受けて応答したり、逆に近くにきたお客さまに話しかけて商品案内をすることもできる。音声通話はもちろん、ビデオ通話などもオンタイムで行えるようにセッティング可能。ビデオ通話を活用すれば、スタッフ側が商品を手に取ってユーザーに説明を行うこともできる。もちろんテキストベースのコミュニケーションも可能だ。
スタッフアバターを活用し、バーチャル空間上で実演販売もできるの。「体験型オンライン店舗サービス」は、声を発しているアバターに近づくにつれて話し声が大きく聞こえてくるという仕組みになっているのもリアルな場での購買体験に寄せているユニークな点と言える。逆に「個室」という空間をレイアウトすることによって、外部への音声漏れを防いだり、外部の音声を聞こえないようにして個別の会話に集中できるようにする機能もあるという。
レジの部分は一般的なECサイトと同じように決済ページへ遷移させることが可能だ。ニーズによってこの部分のアレンジは可能で、レジ担当者との電話注文の形へ流すことも可能だ。もちろん音声ベースでの決済を行う場合はクローズド環境での会話とできるため、安心したやり取りをしてもらえる。
単独型/共同型も対応…クローズド展開も可
店舗展開の方法も柔軟に対応できる。例示した「GWAVコスメ百貨店」のように単独型の店舗の設置はもちろん、共同出展型の仮想空間設置もできる。「例えば物産展のような複数のお店をまとめてショッピングモールのような仮想空間も用意できる」(ビジネスディベロップメント本部 梅木勇樹・副本部長)ということだ。また開店期間もフレキシブルに設定できる。「常設型にすることもできるし、期間限定のスポット型というのも可能。そのほか、招待者限定や事前登録者限定といったクローズド展開も対応できる」(同)としている。
この「体験型オンライン店舗サービス」はどんな商材にはまりやすそうか。同社では「どんな商品でも有効活用可能と思うが、食品や美容関連、ファッション関連は成功しやすいのでは」(同)と話している。実店舗の運営ノウハウを持っていたり、リアル接客に強みをもっているような小売事業者は活用し甲斐がありそうだ。
実施する場合のタイム感や費用感については「個別に相談」(同)という。ただ「仮想空間内で展開するお店のコンセプトなどの準備が整っていれば1カ月程度を見ていただければ用意できる」(同)という。「仮想空間のお店も集客は別途必要となる。開設のご相談を頂いてから、プロモーション期間を考慮したスケジュールを提案する」(同)という。
集客・開店・運用まで一気通貫の支援も
また同社ではコンタクトセンターからシステム構築・各種分析・仕入れ・ファイナンス・物流・ライブコマースそしてプロモーション全般とEC・通販企業を総合的にBPOバックアップする「通販LINKS」というサービスを展開している。
そのため「専用サイトの構築から、web広告によるプロモーション、カスタマーサポート部分のコールセンター対応、仮想空間上に配置するスタッフのキャスティングまでもでき、はてはオンライン接客で資料するPCの準備からインターネット環境の提供までといった必要機器サポートまでも、まるごと支援するご提案もできる」(同)としている。
コロナ禍で苦戦するリアル店の救世主に?
コロナ禍が長引き、実店舗小売への影響が続いている。感染予防のための「外出自粛」によって商業施設への足取りが重くなりがちな中、百貨店などでは休業や時短要請、クラスター発生による休業など不安定な状態が続いている。昨夏から各小売業ではEC参入はもちろん、実店舗の販売員も巻き込んでテレビ会議システムを活用したWeb接客やライブコマースにも取り組むなど”新たな一手”を模索している状態だ。そんな中、ギグワークスアドバリューの「体験型オンライン店舗サービス」は、リアル店舗運営も行う小売事業者にとっては、リアル店舗運営のノウハウを生かしながらECを成功させる有効な一手となるかもしれない。
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