Zホールディングス(株)がこのほど発表した2022年3月期第2四半期(21年4~9月)連結決算は、売上収益が前年同期比34.8%増の7509億6200万円、営業利益が同17.5%増の1154億6900万円)、純利益は同18.3%増の542億2600万円となった。
EC取扱高は11.3%増の1兆6614億円
売上収益は、3月にLINE(株)を経営統合による連結子会社化した効果とともに、広告の需要回復などで広告関連売上収益が大幅に伸長、コマース事業も堅調に成長したことなどにより、大幅な増収増益。第2四半期として過去最高を更新した。
コマース事業の売上収益は、前年同期比10.0%増の3886億円で、全売上収益に占める割合は51.8%。LINEの連結子会社化とともに、アスクルBtoB事業、(株)ZOZOの増収などによる。また、「物販EC」「サービスEC」を含むeコマース取扱高は同11.3%増の1兆6614億円となり、うち物販系取扱高は同9.8%増の1兆3768億円となった。
Yahoo!ショッピング・PayPayモール出店企業へのクロスセルが取扱高の71%に
さらなる事業戦略も進めている。Yahoo!ショッピング、PayPayモール出店企業へのクロスセルは順調に進捗し、合算取扱高に対する割合は71%。今後はCRM機能の優位性を訴求しながら、メッセージ配信数の増加とアクティブ率の拡大をめざす。
コミュニケーションアプリ「LINE」との連携強化に先立ち、Yahoo!ショッピングのすべての出店ストアを対象に、「LINE公式アカウント」開設の申込受付を開始した。申し込みストアは10月末時点で2万件を超えている。また、LINEギフトの取扱高は前年同期比84.3%増と大幅に拡大。ヤフー(株)との連携も開始し、出店ストアも増加している。PayPay決済にも対応し、グループ連携のさらなる強化で取扱高の拡大をめざす。
LINEは10月20日、韓国のNAVER Corporationが提供するオンラインストア作成サービスを、日本向けにローカライズした『MySmartStore』の先行リリースした。LINE公式アカウントの活用や、グループアセットとの連携で、独自ドメイン市場の開拓をめざしている。
PayPayの決済手数料有料化の影響は軽微
メディア事業の売上収益は、前年同期比90.9%増の3034億円で、全売上収益に占める割合は40.4%。LINEの連結子会社化に加え、広告の需要回復、プロダクト改善施策などで大きく増加した。ヤフーは、検索広告を中心に市場全体の需要回復の取込みやプロダクトの改善などで増加。LINEはディスプレイ広告を中心に、配信精度の継続的な改善、新規開拓を通じた広告主の拡大などにより増加した。
戦略事業の売上収益は、前年同期比39.6%の578億円で、全売上収益に占める割合は7.7%。LINEの連結子会社化とともに、Fintech領域の売上が成長した。また、PayPay取扱高は同67.5%増の2兆4452億円と好調に推移。ユーザー数の拡大や利用頻度の増加に伴い決済回数が増加した。PayPayカード(株)のクレジットカード取扱高は同19.5%増の1兆3622億円、PayPay銀行(株)の口座数は同17.2%増の565万口座と着実に増加した。PayPayの決済手数料有料化の影響については、解約が加盟店舗数で0.2%、取扱高で0.1%となり、「極めて軽微」としている。
22年3月期(21年4月~22年3月)の通期業績予想に関しては、売上収益を前期比26.1~30.2%増となる1兆5200億円~1兆5700億円を見込み、コマース事業のショッピング事業取扱高は同12~25%増の1兆6900億円~1兆8900億円と予想。LINEとの経営統合の初年度ということもあり、幅を持たせたとしている。
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