女性誌部数 No.1の雑誌「ハルメク」を発行する(株)ハルメク生きかた上手研究所はこのほど、今年のシニア世代の動向を振り返り、「2021年シニアトレンド」と「2022年のシニアトレンド予測」を発表した。大きかった社会変化や、世代ならではのトピックの昇華、潮流を派生させたカタチ……。そんな「現象」を総ざらいした。
「シニアがトレンドを創る?」「市場の読み解きや予測はZ世代研究が定石」。そんな声が聞こえてきそうな一方、人口の3割が65歳以上という無視できない現状も。シニアは何に関心がるのか、どんな価値観を重視するのか、これからどう過ごしたいと考えているのか。継続するコロナ禍にあって「リアルなシニアのいま」を、同社初の試みとしてまとめた。
若者世代とは一味違う『2021 シニアトレンド』とは?
シニア女性のスマホ保有率が調査開始以来初の9割超え
1.『親目線 推し活』~次世代アスリートやリーダーシップのある若い知事への応援マインドが高まった。「若い選手が自分の限界に挑戦して、自身を表現した結果がメダル――というのが新競技の特徴だと思う」/2.『スマートシニア元年』~シニア女性のスマホ保有率が調査開始以来、初めて9割を超えた。「スマホ決済とかワクチン接種の予約など、ネットを使えないことで損したくない」。
『華やかマスク』『本気いたわりグッズ』がコロナ禍でヒット商品に
3.『華やかマスク』~シニア女性にとって、マスクは手軽に個性が演出でき顔を明るくできるメイクアイテム。「マスクは口もとのしわやほうれい線、たるみが隠せてむしろ都合がいい」/4.『本気いたわりグッズ』~コロナ禍2年目。メンタルよりも慢性的なカラダの疲れが悩みに。「ルームサンダル」「リカバリールームウエア」や寝具など、良質な疲れ取りグッズがヒット。
「ハルメク 古着でワクチン」の寄付額が100 万人分を突破
5.『おさぼり上手料理』~冷凍食品を含め、手間をかけなくてもおいしい料理が受け入れられるように/6.『カジュアル終活』~「自宅療養」「終末期」が身近になった21年。これまであまりオープンに語られなかった死についてカジュアルに語る「デスカフェ」が話題に。また、瀬戸内寂聴さんが遺した前向きな言葉にも共感が続々と。
7.『古着でSDGs』~SDGsと意識せずとも自然に取り組むシニア世代。衣類などの寄付が途上国のポリオワクチンになる「ハルメク 古着でワクチン」の寄付額が100 万人分を超えた。誰かのためになりたいという気持ちが後押しに/8.『おうちで検診』~コロナ禍で病院に行くことが難しくなった状況で、「血液・尿検査」を自宅で簡単にできる郵送型検査キット「おうちでドック」などの自宅ヘルスケアサービスなどの利用が増加した。
さらなる進化の兆しも? 『2022年 シニアトレンド予測』
コロナの反動消費『リベンジ小旅行×シューズ』に注目
1.『プチ贅沢×プチおやつ』~かわいい見映えと食べ応えで若者の間で人気となった「マリトッツォ」。カラダに優しく美味しいおやつが欲しいというシニア女性のわがままニーズを叶える「ひと口で満足できるヘルシーおやつ」が来る/2.『リベンジ小旅行×シューズ』~旅行に行けていないうっぷんが蓄積。その反動消費とともに、健康維持のためにも重要なアイテムである靴の需要が高まる。
3.『ポジティブカラー×シーズンフリー』~衣替えしないシーズンフリーの流れ。シニア女性が好きな、気持ちが明るくなるポジティブカラーに加え、「長持ちする」「使いまわせる」「応用できる」という、季節を気にせず着られることが重視ポイントに/4.「シニア×フェムテック」 女性特有の健康課題ソリューションとして注目されるフェムテック。 更年期後の女性のカラダの研究も進み、世代特有のニーズに応える商品も増える.
シニア世代が「デジタル進出」も
5.『健康寿命+貢献寿命』~シニア世代の強みである「経験・知識」「人脈」に「デジタル進出」がプラスされ、社会で活躍するシニアが増える。健康寿命だけでなく、誰かの役にたっていると感じられる貢献寿命を伸ばしてこそ幸せな人生設計の新たなカギになると予測。
ハルメク生きかた上手研究所の梅津順江(うめづ・ゆきえ)所長は、巷ではやっている現象を変異させ、自分たちに合わせて派生させる。現象を記号化させたトレンドは、シニア時代の21年を反映している。 22年も、新しいトレンドがやってくるというより、21年の流れをくみながらゆっくりとブームが訪れるというイメージ。スピード感はないが、昇華・派生させながら持続型の市場やトレンドを形成していくのが世代の特徴でもある、と分析している。
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