現実世界とは異なるバーチャル空間「メタバース」が注目を浴びている。2021年にはSNS「Facebook」の運営会社が社名をMETAに変更し、メタバース界でのビジネスを本格的に開拓していく姿勢を見せるなどしている。そんな中、日本でも「メタバースEC」ともいえるサービスがすでに誕生している。それがバーチャル店舗をオンライン上に設置し、リアル店舗同様に<商品を見て><説明を聞き><購入>ができる「体験型オンライン店舗サービス」(提供:ギグワークスアドバリュー株式会社)だ。先行事例として有力通販会社4社がトライしCVR30%という成果も叩き出している。実際のトライ事例をレポートする。
関テレ/STVも参加…来場者の3割が購入
次世代のメタバースECともいえる「体験型オンライン店舗サービス」とは、RPG(ロール・プレイング・ゲーム)のように、ユーザーが操作するアバターが、オンライン上の仮想空間のお店の中を歩き回ったり、店員と会話をしたりして買い物をするという場を設けられるもの。
従来型の画像やテキストコンテンツなどを中心とするwebページのECではなく、RPGのゲーム画面のような「お店」の仮想空間を用意。その空間で買い物ができるようにし「リアルな買い物体験」を提供する。アバターの操作は画面上のアイコンを通じて行い、自分のアイコンを別のアイコンに近づけるとチャットができたりビデオ通話を通じた会話などコミュニケーションを図れる。
今回、メタバースEC「体験型オンライン店舗」にトライアルしたのは以下4社の有力通販会社。
◇(株)ふくや
主な出品品目:食品(明太子)
◇(株)関西テレビハッズ【真夜中市場】
主な出品品目:美容健康関連(食品、下着)
◇万田発酵(株)
主な出品品目:健康食品
参加企業「さらなる可能性模索したい」
トライアルは「オンライン物産展」のような形で3日間にわたり実施。1つの売り場画面に4社が催事販売のように販売スペースを設けた。それぞれ従来ECのように商品画像、テキスト説明の他に動画や対応オペレーターを配置した。来場者は自分のペースで売り場を周りながら、アバターを通じて出店スタッフにチャットやテレビ電話で話しかけたりして買い回りを楽しんだ。結果としては、来場者のうち3割が購入にいたるという驚異的な成果を出した。
実際のトライアルでは食品類の売れ行きがよく、ふくやの明太子やSTVが販売した北海道の特産品がよく売れたという。 出店企業からは「今後もぜひ参加してお客様とのコミュニケーションや販売方法などいろいろな可能性を模索していきたい」とさらなる活用への意欲を見せる声も上がったという。
ギグワークスアドバリューでは「リアルの物産展のようにやはり地方物産は強かったという印象があります。売れやすい商品や売れる工夫などノウハウを蓄積し、ご活用いただける企業さんにフィードバックしたい」と話している。
安心感ある・面白いなど好意的な声続々
実際に買い回りに来場したユーザーからはこんな声が届いた。
・(メタバースECの)発想が斬新
・ウインドウショッピングのような感覚になれて好印象
・ネットでも顔を見ながら購入できるのは安心感がある
・スタッフと話ができて、いろいろ質問もできて面白いかった
・動画もあってわかりやすかった
・スタッフが近くにいて気軽に相談できそうで良かった
・自分のペースで商品紹介を見ることができた
・会計の時など店舗の方がカメラオンであったため安心感があった
・移動時間なしでリアルに似た購買体験ができ、従来のECサイトより楽しかった
・オンラインでの接客が新鮮で面白かった。店舗のレイアウト画面もきれいだった
・オンラインでもおしゃべりしながら買い物できるのは良かった
・音楽も流れ、リアルのお店っぽさがあってよかった
わずか3週間で売り場構築!
今回のトライアルはわずか3週間で売り場を構築した。現場を仕切ったギグワークスアドバリューによると「通常は2カ月は要するが、なんとか間に合わせた。結果的には想像以上のCVRとなりトライアルとしては大成功」と振り返る。
トライアルでは課題感も明確になったという。ユーザーからは
・店舗スタッフがもう少し積極的に話しかけてきてもいいと感じた
・ガチャガチャなどイベント要素があるとよいば面白いと思った
・スマートフォンからだと画面が小さく操作が大変だった
・話しかけられるのが苦手な人もいると思うので、何アイコン等で意思表示ができたら
・買い物客として雑談できる空間がなく感じた
・各種ウィンドウが閉じにくかった。
・店員さん呼び出し機能みたいなものがあった方がよかった
・会話を聞かれる範囲が大きい。 店員さんに聞こえないようにヒソヒソ話せるといい
・実演販売コーナーのようなものがあるといい
といった指摘も上がった。ギグワークスアドバリューは「忌憚ない意見を頂けた。どれも改善できると思うので、プラットフォームの機能拡充はもちろん運用でカバーできる分は出店時のアドバイスなどとして生かしていきたい」としている。
商品軸では、各地でリアル開催されている物産展のようにお取り寄せグルメなどを希望する声が多かったという。なかには「コロナ化でなかなか旅行も行けない」ことを理由に特産品を希望する声もあった。また、「イベント限定の特化など特別感があると購入意欲が高まる」という意見もあった。
2月にトライアル第2弾実施、出店募集中
「今後はUI改善も含め機動的にやっていく。是非一緒にトライしてくれる通販会社には名乗りをあげてもらいたい」と呼びかけている。
なおギグワークスアドバリューでは、2022年2月にメタバースEC「オンライン店舗サービス」の第2弾トライアルを実施する。現在出店企業を募集中としている。
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