Zホールディングス(株)がこのほど発表した2022年3月期(21年4月~22年3月)連結決算は、売上収益が前期比30.0%増の1兆5674億2100万円、営業利益が同16.9%増の1895億300万円、純利益は同10.2%増の773億1600万円となった。
LINEの売上収益が3000億円を突破
売上収益は、21年3月にLINE(株)との経営統合で連結子会社化したことに加え、広告事業の売上収益が増加したことなどで過去最高を更新。調整後EBITDAは、ワイジェイFX(株)の株式売却益や「ヤフージャパン ライセンス契約」の終了に伴うロイヤルティ支払い解消などにより、こちらも過去最高となる前期比12.4%増の3314億円となった。
LINEの売上収益は前期比18.1%増の3067億円。広告事業がけん引し、初めて3000億円を突破。営業利益も投資規律向上で収益性が改善、通期で黒字を達成した。
コマース事業の売上収益は前期比8.7%増
コマース事業の売上収益は前期比8.7%増の8109億円、調整後EBITDAは同13.7%減の1315億円。売上収益の全売上収益に占める割合は51.7%となった。LINE統合に加え、ZOZOグループ、アスクルグループの増収などにより、前期比で増加した。
EC取扱高は同10.9%増の3兆5788億円となり、うち物販系取扱高は同10.5%増の2兆9525億円。ショッピング事業の取扱高は同13.0%増の1兆6971億円、リユース事業は同9.2%増の9288億円となり、「ヤフオク!」の客単価向上や、「PayPayフリマ」の拡大で、13年度以来の高成長を達成。アスクルBtoB事業(ネット経由)も同5.4%増の2818億円となった。
ヤフーの広告関連売上収益は13年度以来の2桁成長に
メディア事業の売上収益は前期比74.3%増の6395億円、調整後 EBITDAは同63.7%増の2661億円。売上収益の全売上収益に占める割合は40.8%となった。 LINE統合とともに、広告の需要回復、プロダクト改善施策などにより、前期比で大きく増加した。
ヤフー(株)は、市場全体の需要回復の取込み、プロダクト改善などにより、広告関連売上収益は前年度比で13年度以来の2桁成長となった。また、LINEではディスプレイ広告におけるトークリスト常時表示化、新商品の投入と広告主の拡大、またアカウント広告における開設アカウント 数の順調な拡大等により、広告関連売上収益は前年同期比で大きく増加した。
PayPay取扱高は67%増
戦略事業の売上収益は前期比32.9%増の1161億円で、全売上収益に占める割合は7.4%となった。LINE統合に加え、Fintech領域の成長により前期比で増加した。LINEを通じて潜在的な金融ニーズを取り込み、証券口座数、ポケットマネーローン残高は急拡大。海外金融事業も成長し、LINEBank(台湾)はサービス開始から1年で110万ユーザーを突破した。
PayPay取扱高は、ユーザー数の拡大や利用頻度の増加に伴い決済回数が増加したことにより、前年同期比67.2%増の5兆4436億円と好調に推移。PayPayカードのクレジットカード取扱高は同19.8%増んの2兆9081億円、PayPay銀行の口座数は同17.6%増の602万口座と着実に増加した。
23年3月期の通期業績予想は、前年度の注力領域を推進することにより、売上収益は前年度比約10%増となる1兆7240億円、また中長期の成長に向けた戦略投資の拡大により、調整後EBITDAは同0.0~2.6%増の3315億円~3400億円を見込んだ。
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。