(株)ベルーナがこのほど発表した2022年3月期(21年4月~22年3月)連結決算は、売上高が前期比6.6%増の2201億2800万円、営業利益が同12.1%減の138億2700万円、純利益は同7.5%減の102億400万円となった。
4セグメントで減益、総合通販のセグメント利益は60%減
売上高は「グルメ」「ナース関連」「呉服関連」など、8セグメントのうち6区分で増収を達成。営業利益は「呉服関連」「プロパティ」など4セグメントが増益、「総合通販」「化粧品健康食品」など4セグメントで減益となった。
総合通販事業の売上高は、前期比1.4%減の982億4700万円、セグメント利益は同60.2%減の20億9200万円となった。コロナ禍の影響が一巡し、既存顧客のレスポンスが前期と比較して鈍化したことで収益性が低下。下期から広告宣伝費を抑制するなど、収益確保を優先したことで減収幅は縮小した。
化粧品・健康食品も苦戦
化粧品販売事業は、売上高が前期比12.3%減の160億4900万円、セグメント利益は同30.6%減の18億2900万円となった。コロナ禍の影響で台湾の成長が鈍化。10月から日本国内でテレビCMを開始したことにより、下期の広告宣伝費が増加した。健康食品通販事業は、新規顧客レスポンスが低下し、減収減益傾向が継続している。
グルメ事業の売上高は前期比10.9%増301億1600万円、セグメント利益は5.7%増の22億6800万円となった。稼働顧客数増加に伴い、前期に引き続き積極的な広告宣伝を行ったことに加え、おせち料理の売上が好調に推移した。一方で、コロナ禍の影響が一巡し、既存顧客のレスポンスが前期比で鈍化傾向が継続している。
ナース関連事業では医療雑貨・消耗品の需要が減少
ナース関連事業の売上高は、前期比0.4%増の160億500万円、セグメント利益は同43.3%減の10億2100万円となった。テレビCMなどの積極的な広告宣伝を行った一方で、コロナ禍の影響が一巡し、前年に特需があったマスクやパルスオキシメーターなどの医療雑貨・消耗品需要が縮小した。
データベース活用事業の売上高は前期比7.7%増の152億7600万円、セグメント利益は同3.5%増の56億9100万円。通販代行サービスは新規取引先獲得が順調に進んで増収となった。封入・同送サービスは、下期は総合通販事業の成長鈍化の影響を受けたが、通期では増収。ファイナンス事業は、コロナ禍で新規顧客獲得効率の低下傾向が継続している。
呉服関連事業・プロパティ事業が好調
呉服関連事業は、売上高が前期比12.0%増の240億1700万円、セグメント利益は5億9400万円(前期は10億5800万円のセグメント損失)。上期にコロナ禍の影響があったが、前年比では影響が縮小した。下期は1店舗平均の受注効率改善と費用削減対応が寄与し、受注金額拡大、収益性改善の両立ができ、増収増益となった。
プロパティ事業の売上高は前期比147.7%増の172億9600万円、セグメント利益は同13102.5%増の8億6700万円となった。ホテル事業はコロナ禍の影マイナス影響は縮小したが、影稼働率低下などで増収減益。一方、不動産開発・販売事業では、海外不動産の売却があったことにより大幅な増収増益影響が出ている。
次期業績は減収増益を予想
その他の事業は、売上高が前期比4.4%減の40億1900万円、セグメント損失は9900万円(前期は1億2700万円のセグメント損失)となった。上期は飲食店事業・宿泊予約事業などが苦戦したが、前期比で影響は縮小。下期も、宿泊予約事業で大幅低下の影響があった。
23年3月期の通期業績予測は、売上高が前期比0.5%減の2190億万円、営業利益は同8.5%増の150億万円、純利益は同3.9%増の106億円を見込んだ。原材料価格や海上運賃の高騰による商品原価の上昇が懸念されるが、通販事業を中心に需要変化を機会と捉え、新たな価値を生む商品とサービスの投入を進め、顧客数拡大・事業成長をめざすとした。
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