2022.05.15 コラム
顧客ロイヤリティで収益バランスを最適化 | 改善するためのステップまとめ
顧客ロイヤリティ(ロイヤルティ)という言葉を聞いたことはあるでしょうか。新規顧客を増やすことも大切ですが、既存顧客の売り上げを伸ばしていく施策も重要です。本記事では既存顧客から「また買いたい!」と思ってもらうために重要な「顧客ロイヤリティ」について解説します。
顧客ロイヤリティとは
顧客ロイヤリティとは、顧客が企業の商品やサービスに満足し、信頼や親しみを感じることを表します。ロイヤリティとは「忠誠心」という意味を持ち、英語では「Loyalty」と表記します。カタカナで「ロイヤルティ」と表現されることもありますが、本記事では「ロイヤリティ」に統一します。
顧客が商品を購入するときに、いくつかの企業の商品を比較検討することがあります。特に近年ではECサイトを利用して購入に至る顧客が多いため、より商品競争が激しくなっているといえるでしょう。
顧客ロイヤリティが高い企業の商品は、顧客が複数の商品で迷っている場合に選ばれやすくなります。以前にその企業の商品を使用して満足した経験があったり、他の顧客の口コミなどで良い評価を見たことがあったりといった理由があげられます。
そのため顧客ロイヤリティを高めるということは、自社企業の「ファン」を増やすことになるため、売り上げの向上や解約率の改善といったメリットを得ることができます。
顧客ロイヤリティが重要視される理由
顧客ロイヤリティが重要視される理由として、新規顧客開拓と比較すると費用対効果が高いという点があげられます。一般的に、新規顧客を獲得するために費用をかけるよりも、既存顧客との関係値を高める方が効率よく利益率を高めやすいとされています。
フレデリック・F・ライクヘルドの提唱する 「1:5の法則」には以下の記載があります。
・解約率を5%改善することで利益を25%改善できる
・新規顧客獲得コストに比べ既存顧客への販売コストは5分の1で済む
そのため継続的に新規顧客を獲得することも欠かせませんが、より企業の利益を増やすためには既存顧客のロイヤルティを高める施策に注力していく必要があります。このような理由から顧客ロイヤリティが重要視されているといえます。
顧客ロイヤリティ改善によるメリット
顧客ロイヤリティを改善することによって得られるメリットには以下があります。
1.顧客単価の上昇
顧客ロイヤリティを高めることで顧客単価の上昇が期待できます。企業のファンを増やすことでさらにグレードの高い商品やサービスを購入してもらえる可能性が高まるためです。
また最初に購入したカテゴリ以外の商品にも興味を持ってもらえる機会が生まれることで、クロスセルとして顧客単価の上昇を図ることも可能です。
2.リピート率の向上
顧客ロイヤリティが高まることでリピート率の向上にもつながります。多くの競合他社がいる中で、以前に商品を利用したうえでまた利用したいと思ってもらえることは非常にメリットがあると言えます。
前述のように新規顧客を獲得するよりも低コストで売り上げを伸ばすことも考えられますので、リピート率を高める重要性は高いのです。
3.解約率の改善
顧客ロイヤリティを高めることで、解約率の改善を図ることができます。サブスクリプションサービスなど継続利用により利益率が高まるサービスの場合、解約率を下げるという点は常に課題にあがると思いますが、ロイヤリティの高い顧客を増やすことで改善が見込めます。
4.評価の高い口コミの獲得
商品を比較する際に口コミを見て、購入する商品を決定する方は多いと思います。そのため利用ユーザーの良い口コミは非常に重要となりますが、顧客ロイヤルティが高い顧客は高い評価の口コミを投稿してくれる可能性が高いです。
特にBtoC商品の場合は、SNSなどの情報で商品を評価する傾向にあるため、Web上での良い評価を増やすためにも顧客ロイヤルティは重要と言えます。
顧客ロイヤリティを測るために重要な指標
顧客ロイヤリティを測るために重要な指標として、以下の4つがあげられます。
・NPS
・顧客満足度
・継続利用意向
・LTV
▽NPS
NPSとは「ネットプロモータースコア」のことで、顧客ロイヤルティを数値で表すときの指標です。NPS®を測るためのアンケートには通常の満足度などについての設問の他、「他人にもおすすめしたいか」といった旨を質問する項目があります。
NPSは顧客満足度との関係性も高く、NPSのスコアが高い顧客はロイヤリティが高い顧客と言えます。
▽顧客満足度
顧客満足度とは、顧客が商品やサービスにどれくらい満足しているかを表す指標です。顧客が商品やサービスを利用して満足している割合が高いほど、顧客満足度は高くなります。
顧客満足度が高ければリピート率や継続利用につながる可能性が上がりますが、想定しているリピート率に届かない場合などは、商品の質やパッケージに問題がある可能性もありますので注意しましょう。
▽継続利用意向
顧客ロイヤリティを測るための指標として、継続利用意向も重要です。継続利用意向は顧客満足度との関係性が高いため、どちらも良好であることで売り上げを伸ばしていくことができます。
しかし、顧客満足度が高くても継続利用をしない、といった顧客が一定数いるケースもあります。その場合はサービスの利便性やメリットを見直し、継続利用につながるロイヤリティを獲得するような施策が必要となります。
▽LTV
LTVとは「ライフタイムバリュー」のことで、顧客一人あたりが生涯でサービスに支払う費用のことを表します。LTVも顧客ロイヤリティを表す重要な指標の一つです。
LTVを測るためには、顧客がサービスを利用した期間や金額、購入頻度などのデータを分析する必要があります。これらを分析することによって顧客のロイヤリティを測ることが可能です。
顧客ロイヤリティ改善のためのステップ
実際に顧客ロイヤリティを高めるために何をしたらよいのか、について解説します。顧客ロイヤリティを改善するステップは 下記の通りです。
◇顧客データを取得する
顧客ロイヤリティを高めるために、まずは顧客データを取得します。顧客データが非常に重要となるため、顧客管理システムなどを導入してもよいでしょう。
ロイヤルティに関するデータ精度を上げるためには、データの信憑性が重要であり、かつ個人を識別できるデータとして取得できることが前提となります、そのためカード情報やアプリの利用履歴などで個人を識別したデータを収集できるとよいでしょう。
アンケート調査も効果的です。利用状況やロイヤリティを測るための指標について調査や分析ができる体制づくりは必須と言えるでしょう。
◇顧客ロイヤリティの現状を把握する
次にデータを基に顧客ロイヤリティの現状を把握していきます。商品やサービスに対する評価やその理由を分析することが重要です。
「どれくらいのロイヤリティなのか」「ロイヤリティの特徴や傾向は?」「どのような商品体験がロイヤリティを高めているか」などといったポイントを把握していきましょう。
◇目標やターゲットを設定する
次にロイヤリティを高めていくにあたっての目標や顧客ターゲットを明確に設定していきましょう。どれくらい改善を図るのかといった目標や、どの顧客層を狙った施策を行うのかを明確にしましょう。
顧客ターゲットはできるだけ詳細に設定するとロイヤリティを高める施策を行いやすくなります。年代や性別、ターゲットの趣味嗜好や行動傾向などを具体的にイメージして、実際の顧客に近いターゲット層を設定することがポイントです。
◇カスタマー・エクスペリエンス(CX)を設計する
最後に設定したターゲットに対して、ロイヤリティを高めるためのカスタマー・エクスペリエンスを設計していきます。カスタマー・エクスペリエンスとは「顧客体験価値」という意味を持ちます。
顧客が実際に商品やサービスを体験して得られた価値が、顧客ロイヤリティに大きく影響します。そのためどのようなカスタマー・エクスペリエンスが顧客ロイヤリティの改善につながるのか、分析したデータもふまえながら設計していくことが大切です。
ポイントとしては、自社と顧客の接点を洗い出し、どのような流れで商品を認知して利用していくのかをイメージすることです。どのタイミングで顧客体験価値が生まれるのかを調査することで、顧客ロイヤリティの向上につながるでしょう。
顧客のニーズを分析してロイヤリティを高めることが重要
顧客ロイヤリティが重要視される理由や、改善することによるメリットについて解説しました。顧客ロイヤリティを高めることは企業の売り上げやイメージアップにもつながります。しかし短期間で成果が出るわけでなく、顧客のニーズを分析したりターゲット層に適した訴求を行ったりなど、中長期的に施策に取り組む必要があります。
顧客ロイヤリティを測る指標についても覚えておきましょう。自社の状況を正確に把握するためには各指標を基に現状を考えていくことが重要です。顧客ロイヤリティについて改善の必要があると感じたら、ぜひ記事の内容を確認して施策に活用してください。
顧客ロイヤリティに関連する資料
当サイト「通販通信ECMO」では、顧客ロイヤリティに関する資料を多数掲載しています。ぜひご確認ください。
顧客ロイヤリティに関連する記事
まずは情報収集から始めたいという方向けに顧客ロイヤリティに関する記事をまとめています。以下のリンクからご確認ください。
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