CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティング専門機関の(株)J.D.パワージャパンは28日、『2022年法人向け通販サービス顧客満足度調査』の結果を発表した。高まるテレワーク商材需要で、(株)大塚商会の「たのめーる」が初の総合満足度第1位を獲得した。
総合満足度ランキング2位は「ASKUL」・3位「Amazon Business」
年1回、従業員5人以上の事業所を対象にサービスの利用状況や満足度を聴取する調査で、10回目。今年は4月下旬に3900社から聞いた。総合満足度を構成する要素は、影響度が大きい順に「ウェブサイト・カタログ」「配送対応」「料金・請求」「提供商品・サービス」「サポート対応」。ユーザーの評価を基に1000pt満点で総合満足度スコアを算出した。
「総合満足度ランキング」は――。1位が『たのめーる(667pt』~「配送対応」「料金・請求」の2ファクターで最高評価を獲得/2位が『ASKUL(661pt』~「ウェブサイト・カタログ」「サポート対応」の2ファクターで最高評価/3位は『Amazon Business(658pt』~「提供商品・サービス」ファクターで最高評価を得た。
「衛生・医療・メディカル用品」は40%が「購入が増えた」と回答
昨年に続き、1年前と比べた購入状況の変化を主要商品分野ごとに聴取した。今年もマスクや消毒液などを含む「衛生・医療・メディカル用品」で、40%が「購入が増えた」。昨年調査(6月発表)と比べると減ってはいるが、依然として多くの事業所でコロナ禍の予防対策用品の調達先として、法人向け通販サービスが利用されていることがうかがえる。
また、「パソコン/周辺機器/記録メディア/ソフト/Web会議・テレワーク用機器」の「購入が増えた」(17%)とする回答が増加した(21年は11%)。コロナ禍から2年以上が経過し、オンライン会議やテレワークといった新しい働き方が普及していく中、このような商品の購入も法人向け通販サービスで増え始めていることが確認された。
法人向け通販サービスではウェブサイトやダイレクトメール、チラシなど、さまざまなツールでおすすめ商品をはじめとする情報提供が行われている。それらの情報で「参考になった・役に立った」とされた内容別に総合満足度を見ると、「テレワーク時の便利用品に関する情報」をあげた顧客の総合満足度は736ptとなり、最も高い結果となった。
テレワークが定着しつつある中、新しい働き方の支援につながる商品情報がより評価される状況にある。コピー用紙や文具などの事務用品販売を中心としてきた法人向け通販サービスだが、顧客のワークスタイル変革を後押しする商品の提案や品揃えが今後も期待される。
最もよく利用したサポート窓口/機能で「オンラインサポート」が増加
最もよく利用したサポート窓口/機能は、「コールセンター」が48%で最も多いが、昨年(52%)と比べると減少。一方で「オンラインサポート」(AIチャットボット、オペレーターとのチャット、問い合わせフォーム/オペレーターとのメール)が増加した(21年は36%、22年は41%)。
法人向け通販サービスでも、従来までサポートの主流チャネルだったコールセンターをよく利用するという顧客は減少しており、オンラインサポートがその代替として利用される傾向が高まっている様子が浮き彫りとなった。
しかし、満足度の観点で見ると、オンラインでの「サポート対応」の満足度は業界全体で昨年から14pt低下。多くの通販サービス事業者でスコア低下が見られた。また、オンラインサポートの利用で、用件が「完全に解決した」とする回答も昨年は65%だったが、今年は58%に減少。提供する事業者側、利用する顧客側ともオンラインシフトが進んでいくと予想される中、これまで以上にオンラインサポートの機能拡充や対応品質の向上が求められる。
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