EC化率は25年に24.5％まで上昇も

　コロナ禍の世界的影響を背景にEC需要が増加し、市場規模とEC化率の増加に繋がったと見られ、BtoC-EC市場規模は4兆9200億USドル、EC化率は19.6％と推計した。その後も市場規模の拡大とEC化率の上昇が見込まれ、25年には7兆3900億USドル、EC化率は24.5％にまで上昇すると予測。世界規模で小売分野でのEC化が引き続き拡大するとの予測で、ECを前提とした商品販売の在り方が一層問われることになるとしている。

　国別のBtoC-EC市場規模は、中国が全世界の52.1％を占め、米国の19.0％、イギリスの4.8％、日本の3.0％、韓国の2.5％などと続く。中国の市場規模の大きさが際立っており 、一国で市場の半分を占め、米国を加えた上位2か国で世界の71.1％のシェアとなっている。

世界の越境EC市場の平均成長率は約30％

　世界の越境EC市場を、19年時点の市場規模推計値と26年の予測値を比べると、19年の市場規模は7800億USドルと推計され、その値は26年には 4兆8200億US ドルにまで拡大すると予測。その間の年平均成長率は約30％で、世界のBtoC-EC市場規模の拡大を上回るペースで越境ECの市場規模は拡大すると見られている。

　市場規模の大幅な拡大が予測される背景は、消費者目線で捉えれば、越境ECの認知度の上昇、自国にはない商品への取得欲求、自国よりも安価に入手できるものがあること、商品やメーカーに対する信頼性などが挙げられる。事業者目線で捉えれば、越境ECによって消費者ターゲットを世界に拡大しようとする事業者の積極姿勢が挙げられる。また、物流レベルの向上も越境ECを促進する要因の一つになっていると考えられる。

日本商品の中国越境EC市場は2兆1382億円に

　日本・米国・中国3か国間の越境EC市場規模の推計結果によると、日本の越境BtoC-EC（米国・中国）の総市場規模は3727億円。うち、米国経由の市場規模は3362億円、中国経由の市場規模は365億円だった。

　また、米国の越境 BtoC-EC（日本・中国）の総市場規模は2兆409億円。うち、日本経由の市場規模は1兆2224億円、中国経由の市場規模は8185億円だった。中国の越境BtoC-EC（日本・米国）の総市場規模は4兆7165億円。うち、日本経由の市場規模は2兆1382億円、米国経由の市場規模は2兆5783億円だった。