CS(顧客満足度)の調査・コンサルティング専門機関である(株)J.D.パワージャパンが26日発表した、『カスタマーセンターサポート満足度調査(EC・通販業界編)』によると、総合ECサイト部門の1位は「ヨドバシ・ドット・コム」だった。コールセンターの利用は若年層ほど低く、対照的に、FAQを中心にしたオンライン系サポート機能は、若年層を中心に普及していた。
「ヨドバシ・ドット・コム」は全4ファクターで最高評価
EC・通販業界編の調査は初めて。8月初旬~中旬にかけて、カスタマーセンターサポートを利用した20歳~74歳の5100人(総合ECサイト部門2500人、テレビ通販部門1050人、カタログ通販部門1550人)を対象に、3業態のコールセンター、オペレーターによるチャットサポート(有人チャット)、自動応答によるチャットサポート(AIチャットボット)、メール問い合わせ/問い合わせフォーム、FAQ(よくある質問)ページ)の満足度について聞いた。
それによると、4ブランドを対象とした「総合ECサイト部門」の満足度1位は「ヨドバシ・ドット・コム」で、「利用のしやすさ」「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」「問題の解決や対応に要した時間」の全4ファクターで最高評価を得た。2位は「ビックカメラ.com」、3位は「PayPayモール」(統合前)だった。
テレビ通販部門の1位は「ジャパネットたかた」
「テレビ通販部門」(対象4ブランド)の1位は「ジャパネットたかた」となり、同じく全4ファクターで最高評価を獲得。2位は「QVCジャパン」、3位は「ショップジャパン」だった。
対象が7ブランドの「カタログ通販部門」は、1位が「セシール」となり、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」「問題の解決や対応に要した時間」の2ファクターで最高評価。2位は「通販生活」で、「利用のしやすさ」「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」の2ファクターで最高評価となった。3位は「ベルーナ」だった。
3業態ごとにコールセンターの利用率が異なる一方、オンライン系サポート機能の中では、FAQが全業態ともに25%前後とほぼ一定。コールセンターの利用率は、テレビ通販部門では58%、カタログ通販部門では47%だったのに対し、総合ECサイト部門では25%だった。
年代別でも違いがみられ、コールセンターは60代・70代の51%に対し、20代・30代では27%。対照的に、FAQを中心にオンライン系サポート機能は、若年層が合計で74%となっていた。
サポート機能別の満足度1位は「有人チャット」
サポート機能別の満足度は、「オペレーターによるチャットサポート(有人チャット)」が最も高く、「コールセンター」「自動応答によるチャットサポート(AIチャットボット)」と続いた。「メール問い合わせ/問い合わせフォーム」「FAQページ」は、全体平均を下回る結果となった。特に「FAQ」は全体平均より30pt下回る低い満足度になっていた。
FAQ利用者の約3割が、「必要な情報が見つけにくい」「問い合わせしたい内容と合致する質問文を見つけにくい」と考えていることが確認できた。FAQはオペレーターやAIとの動的なやりとりが発生せず、問い合わせ内容の絞り込みを利用者自らが行うため、知りたい情報にたどり着くための負担が大きい。そのため、満足度向上には、まずは利用者目線に立った質問文の見直しや、さらなる検索精度の向上や導線整備が求められている。
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