2022.11.01 通販会社
ギグワークスアドバリューが老舗通販を改革!日本直販と悠遊生活が合併
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老舗通販ブランド「日本直販」の新体制が確立し、さらなる成長に向けた歩みを進めている。「日本直販」は2022年7月にトランスコスモスから総合BPO事業を手掛けるギグワークス(株)傘下となった。さらに今年10月1日にはギグワークス傘下の別通販企業である「悠遊生活」と経営統合し、グループ内でEC・通販業界の支援実績が豊富なギグワークスアドバリュー(株)と「日本直販」「悠遊生活」の連携を強化していく方針だ。通販事業会社との連携による今後の展望について、ギグワークスアドバリュー(株)の代表取締役・福田和男氏、取締役・高田秀行氏、事業推進本部の梅木勇樹本部長の3人に話を聞いた。
日本直販・悠遊生活は今夏ギグワークスGに
「日本直販」はもともとペン習字の通信教育を目的に創業し、会社としては1972年に大阪で設立された通販企業(株)総通の屋号。2012年にコールセンター大手のトランスコスモス子会社・トランスコスモスダイレクト(株)に「日本直販」ブランドの通販事業が譲渡された。そののち、2015年にトランスコスモス本体に吸収合併。そして今年7月1日にトランスコスモスからギグワークス傘下となった。
日本直販のECサイトトップ画面
統合する「悠遊生活」は(株)イメンスが運営していた通販ブランド。今年7月1日付でギグワークスが新設した(株)悠遊生活へ「悠遊生活」のEC・通販事業が譲渡された。なお「日本直販」事業の承継会社である日本直販(株)と(株)悠遊生活は、通販サービスの拡大に向け、10月1日付けで日本直販が悠遊生活を吸収合併。存続会社は日本直販(株)とし、社名も維持する。
日本直販が直近発行したカタログ一覧(サイト上からキャプチャ)
両社を傘下に収めるギグワークスグループは総合BPO支援を手掛ける。グループのトップとなる現ギグワークス(株)は1977年に(株)ザポイントスタジオとして設立。1999年にスリープロ(株)へ社名変更し、2003年東証マザーズに上場。そののち通販に強いコールセンター事業を営んでいたWELLCOM IS(株)や(株)JBMクリエイトを傘下におさめEC・通販に強いBPO事業グループとしての色を強めながら「スリープロ」の名を冠してグループを組織していった。2019年にグループ名を「ギグワークス」に変更しグループ再編を図った。2020年2月にはWELCOM ISとJBMクリエイトなどEC・通販に強いコールセンター事業会社3社を合併しギグワークスアドバリュー(株)を発足した。今回統合する日本直販(株)はギグワークス本体の完全子会社となり、ギグワークスアドバリューは横並びの関連会社という立ち位置となる。
両社の強み融合し厚みのある通販支援を
新体制の日本直販(株)は、数々の大手通販企業のコールセンターを中心とするBPO受託を行い「通販LINKS」でもお馴染みのギグワークスアドバリューとの連携を強化しさらなる成長を図っていく計画だ。ギグワークスアドバリューはコールセンターを主とするBPO関連の膨大なEC・通販ノウハウを持つほか、「メタバースEC支援」や「ライブコマース支援」など先進的なEC支援も広く手掛けている。
ギグワークスアドバリューの福田氏は連携強化についてこう語る。「ギグワークスアドバリューの強みとしては、通販に深く携わるアウトソーサーとしての知見と経験を豊富にもっている。一方、日本直販は通販事業者としての膨大なデータと経験を持っていることが強み。ギグワークスアドバリューではコンタクトセンターだけでなく機器の現場設置などといったオンサイトサポート、プロモーション支援、販売支援までと広く展開している。それらサービスと日本直販の膨大なデータと経験を組み合わせることで見えてくるものは少なくないはずだ。あらゆるトライアルをしていきながらその結果をもとに通販事業者へ提案できるサポートの幅がぐっと広がる。反対に日本直販は自分たちで持っていないサービスでもギグワークスアドバリューが保持するサービスを追加することができる。これは日本直販の販売網やサービス領域の拡大にもつなげられる」とした。
代表取締役 福田和男氏
福田氏はコールセンター事業への思いにつながる双方のメリットについても説明した。「クライアントのプロフィットにコミットしたいという思いがある。どうやったらクライアントである通販事業者のLTVを伸ばせるか、どうやって新規顧客を獲得していくか。当社は通販事業者の利益最大化を担えるアウトソーサーであるという自負がある。従来型のコールセンタービジネスはコール件数やオペレーター人数で値段をつけるというのがセオリーだが、このやり方では作業費になってしまい思いへコミットするにはどうしても限界がある。レベニューシェア型の事業としていきたいと考えている。従来型のセオリー通りではクライアントの『下請け』という立場から脱却できない。クライアント本位で仕事が回ってしまう。当社は『下請け』ではなくいかにして『パートナー』という立ち位置となるか、を模索していた。メタバースECともいえる『体験型オンライン店舗』もその動きの1つ。下請けではなく、新規獲得の場も提供することでクライアントのパートナーという色を強める取り組みをしてきた。その中で今回通販事業主である日本直販と横並びになることで当社の『パートナー』たる説得力が大きく変わる。老舗通販の顧客分析などノウハウを共有することで、ギグワークスアドバリューの営業活動や提案に言葉の厚みが出る。信ぴょう性が増す。新しい発想からの提案がクライアントにできるのではないかということに期待している」と熱く語る。
設置・レクチャー支援で既に成果
日本直販側とのシナジー創出に向けた具体的な取り組みは既に進んでおり、効果は出つつあるという。現場での設置サポートなどを行う「オンサイトサポート」でインパクトのある成果が得られたという。「日本直販は高齢のお客さまが多いという特徴があるが、そのためベッドといった家具などの大物商品を購入者が自力で設置できず購入を断念するケースが少なくないといった課題があった。その他にも、スマートウォッチといった商品も人気があるのだが、『使い方がわからないかも…』と顧客を取りこぼしてしまう例が少なくなかったようだ。ギグワークスアドバリューは設置などのオンサイト支援もできるため、まずはここで組むというトライアルをしてみた。この取り組みが早速奏功している」(梅木本部長)そうだ。
事業推進本部 梅木勇樹本部長
ベッドなどの家具については、購入者宅へ訪問し組み立てから設置までを行う。スマートウォッチについては、使い方レクチャーをしに訪問している。こうした取り組みで確実に販売増につながっていると言い「PoCという段階だが、サービスとしてのブラッシュアップや対応商品の拡大、さらには日本直販以外の総合通販企業に提案できるメニューとしての整理を進めているところ」(梅木本部長)と言う。家具類の組み立て設置について日本直販は従前から外注を検討していたが実現には至っていなかったという。「横の連携によりスピード感を持って課題を解決できるという良い好例にもなった」(福田氏)と話す。
あらゆる通販仕事の「餅屋」へ
今後の連携強化についてギグワークスアドバリューが提供する通販向けの総合BPO支援パッケージ「通販LINKS」の強化にもつなげたい考え。「事業者とアウトソーサーが横並びという形になった。ギグワークスアドバリューとしてはアウトソーシングのサービスの価値をいかに高めていけるかがポイントになってくる。もともと当社は『通販LINKS』を手掛けているが、自社でカバーできる範囲は限られており協力会社とアライアンスを組みながら提供するというやり方だった。『餅は餅屋』というものがあり、全てのことに我々が餅屋になりきれずその結果の課題として通販企業の相談に乗り切れない部分があった」(高田取締役)と振り返る。
取締役 高田秀行氏
「ただメディアプロモーションやカタログ送付を含む会員向けCRMを実地で手掛けているチームが横にいる状態になった。また日本直販は同送同梱広告といった支援事業も手掛ける媒体主でもあり、かなり深い通販のノウハウを持っている。日本直販の現場チームと当社の現場チームでコミュニケーションを密にとることで、通販における川上から川下までほとんどすべての領域でサービス提供が可能になる。通販におけるあらゆる部分で我々が『餅屋』になれる状態で踏み込んだ相談にも応じられるようになる。今後は営業の仕方を変えていきながら、各種通販事業者の支援を強めていく。日本直販の顧客網を通じた新規獲得の提案も検討できる。顧客のセグメンテーションという部分の綿密な分析を行い、さらなる新商品開発にも取り組んでいく」(高田取締役)と力説する。
福田氏は「事業会社が横並びでいる状態で、当社がこれまで以上にEC・通販のクライアント企業の現場により寄り添えるようになるのは間違いない。まだ見えてきていない現業の現場でしかわからない課題は多くあるはず。日本直販との連携でよりEC・通販企業の痒いところにまで手が届くきめ細かい支援内容を提供していきたい。ぜひEC・通販のお困りごとは新体制であらゆる通販仕事の『餅屋』となったギグワークスアドバリューに相談してほしい」と呼びかけた。
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