(株)Hakuhodo DY Matrixのシンクタンク「100年生活者研究所」が24日発表した『100年生活者調査~趣味編~』の結果によると、趣味とは言えないが、小さな楽しみを重ねることが人生100年時代を楽しむ秘訣?――そんな「隠れ趣味」の持ち主は、「幸福度」の高さにも表れており、人生100年時代に対しても好意的な反応を示していた。
隠れ趣味を4~6つ持つ人は「幸福度」も高い
ゴールデンウィーク(4月29日~5月7日)は間近。旅行や買い物など、趣味に時間を費やす時間が多くなる季節だ。5月8日から「5類」へ引き下げとなるコロナ禍の落ち着きもあり、趣味や余暇活動再開の動きも見込まれる。そんな社会背景もあって、人生の幸福度と趣味の関係性の調査を試みた。3月に、20代~80代以上の男女728人に聞いた。
それによると、10点満点で「幸福度」を聞いた728人のうち、全国平均(6.46点)を超える7点以上だった421人の86.5%が、趣味とは言えないが、楽しくて続けている「隠れ趣味」を持っていた。隠れ趣味とは、周囲に言うレベルではないが、日々の生活の中で楽しくて続けていることや習慣だ。また、「100歳まで生きたい」という気持ちは、隠れ趣味を持っている人のほうが、持っていない人より1.8倍高いことも分かった。
7点以上だった421人の趣味は「国内旅行」(17.3%)、「音楽鑑賞」(14.6%)、「読書」(14.2%)など。一方、56.2%が「明確に趣味と答えられるものはない」と回答。幸福度の高い人でも自ら趣味と認識しているものは少ないことが明らかになった。また、いわゆる「隠れ趣味」の内訳は「1つ~3つ」が66.1%と最多で、「4つ~6つ」が16.6%、「7個以上」が3.9%だった。
自由回答では「おいしいものを食べる(20代男性、)」「ポイ活(男性、40代)」「好きな歌手の歌をきく(男性、60代)」「韓流ドラマを見る(60代女性)」「書類を整理・分類して、部屋をすっきりさせる(80代女性)」などの回答が得られた。
また「趣味と言わない理由」については、「趣味というにはレベルが低い(70代男性)」「暇つぶし程度で、のめり込むようなことではない(30代女性)」「一時的にやめてしまうこともある(20代男性)」「毎日のルーティーンワークで、特別なことをしているわけではない(60代男性)」。
「とても幸せ」を10点、「とても不幸」を0点とした場合の「幸福度」と、「隠れ趣味」との関係を分析すると、隠れ趣味4つ~6つの人は「幸福度」が7.05点、1つ~3つは6.57点、7つ以上は6.56点、隠れ趣味なしは5.58点となっていた。
「100歳まで生きたい」…隠れ趣味がある人はない人の1.8倍
「隠れ趣味」が生活に与えている影響は、「気分転換・リフレッシュできる」(71.1%)、「楽しい気持ちになれる」(59.5%)、「健康が維持される」(32.9%)、「脳が活性化される」(32.1%)、「新しい知識や情報を得ることができる」(27.8%)などが挙がっていた。
「100歳まで生きたいと思うか」という質問には、隠れ趣味がある人の26.3%が「思う」。隠れ趣味がない人の13.9%と比べ、1.8倍高い結果となっていた。また、「自分の100年の人生」をイメージできる人は、隠れ趣味がある人の20.2%が「できる」。ない人の6.0%と比べて3.3倍高い結果となっていた。
「100年生活者研究所」の宮下陽介研究員は、「隠れ趣味を持っている人は、人生100年時代を前向きに捉えている。小さな楽しみを重ねていくことで、日常生活を幸せに過ごしているという実感が高まるのでは。人生100年時代は、長期的な視点で人生を設計したり、未来を考えたりするではなく、1日1日を大切に楽しむことが重要なのかもしれない」としている。
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