(株)ファンケルが9日発表した2023年3月期(22年4月~23年3月)連結決算は、売上高が前期比0.4%減の1035億9500万円、営業利益が同19.7%減の78億4300万円、純利益は同33.0%減の49億7000万円となった。
通販は3.1%増の314億400万円と堅調
売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響などで国内の店舗販売が振るわなかったことや、海外が中国ロックダウンの影響などにより減収。営業利益は、顧客基盤拡大のために広告宣伝費を積極的に使用したことなどで減益となった。
化粧品関連事業の売上高は前期比2.3%減の574億4800万円。販売チャネル別では、通信販売が前期比3.1%増の314億400万円で、構成比は54.7%。店舗販売は同10.5%減の118億2500万円で、20.6%。卸販売他は同5.5%増の88億円で、15.3%。海外は同20.3%減の54億1700万円で、9.4%だった。
ファンケル化粧品は通信販売と卸販売他が伸長したが、コロナ禍の影響などで店舗販売と海外が減収となり、前期比1.5%減の421億200万円となった。アテニア化粧品は、国内で「スキンクリアクレンズオイル」などが好調だったものの、海外は中国のロックダウンや現地の在庫調整により、減収。全体では前期比2.5%減の134億4700万円。ボウシャは化粧品専門店や百貨店などの小売への卸販売が振るわず、同32.5減の7億8300万円となった。
損益面では、売上総利益率の改善や販売促進費の効果的な使用に努めたものの、広告宣伝費の積極使用などで、営業利益は前期比22.1%減の59億500万円となった。
栄養補助食品関連事業の売上高は、前期比3.6%増の398億7100万円となった。国内は、コロナ禍の影響などで店舗販売が減収となったものの、通信販売および卸販売他が伸長し、増収。海外は中国ロックダウンの影響や、現地の在庫調整により減収となった。
損益面では、増収により売上総利益が増加したものの、広告宣伝費を積極的に使用したことなどにより、営業利益は前期比12.1%減の34億2900万円となった。
通販は4.9%増の181億円
販売チャネル別では、通信販売が前期比4.9%増の181億7600万円で、構成比は45.6%。店舗販売は同11.5%減の58億2800万円で、14.6%。卸販売他は同16.6%増の115億4100万円で、28.9%。海外は同7.1%減の43億2500万円で、10.9%だった。
その他関連事業の売上高は前期比6.5%減の62億7600万円。営業利益は9200万円(前期は2500万円の営業損失)となった。発芽米の売上高は同3.4%減の19億8500万円、青汁は同5.0%減の20億500万円だった。
24年3月期は増収増益に転じる見込み
24年3月期の通期業績については、売上高が前期比7.1%増の1110億円、営業利益が同53.0%増の120億円、純利益は同60.9%増の80億円を、それぞれ見込んだ。
今期は店舗販売が振るわなかったが、ファンケルの通信販売、店舗チャネルを支えるのが独自開発したIT基幹システム「FIT3(FANCL Information Technology 3)」。「顧客を理解するためのデータ」を収集し、分析できるシステムで、CRM戦略などにさらなる活用をめざす。
アンケートや購買・WEB履歴から「お悩み度合い」をデータベース化し、「お悩み解決」の提案につなげて未アプローチ層にも対象を広げてきた。同様に「内脂サポート」の定期解約率・解約理由の予測モデルを構築。抽出した顧客向けに解約防止DMを送付し、解約率半減という成果も。将来的には他の製品にも展開し、年間数億円の売上増効果をめざす。さらに、個店の特性を活かしたファンづくりと再来店率・LTV向上にも「FIT3」の活用を図る。
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。