かっこ(株)は、キャッシュレスセキュリティに関するコンサルティングサービスを提供するfjコンサルティング(株)と共同で、7月からクレジットカード情報流出事件の統計とECについての不正利用傾向に関するレポートをまとめ、四半期ごとに公表すると発表した。第1回として、6日に『キャッシュレスセキュリティレポート(1~3月版)』の内容を明らかにした。
※かっこ・fjコンサルティング調べ
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情報流出事件数などを2社公表
クレジットカードの不正利用については、(一社)日本クレジット協会が四半期の「不正利用被害額」を公表しているが、情報流出事件に関しては、業界団体などによる統計がなかった。両社は、これまで独自にまとめて発表してきたが、注目度は大きく、これを機に共同で公表することにした。1・4・7・10月に3カ月前の四半期データを公表する予定という。
初回のレポート(1~3月)によると、カード情報流出事件は16件で、流出数は17万3332件に上っていた。2022年を通した事件数は54件で、流出件数は84万9165件だった。
商材別では、「アパレル」(5件・4万1362件)、「コスメ」(4件・1万3707件)、「食品」(3件・5099件)、「家電・電子機器・PC」(2件・11万2147件)、「生活雑貨家、家具、インテリア」(1件・402件)、「アパレル/コスメ/健康食品」(1件・605件)となっていた。
クレカの不正注文発生率は1.8%
22年11月に公開された、入力フォーム最適化支援を提供するSaaSの脆弱性を突く攻撃を原因とする情報流出事件が4件公表された。決済機能を持たないサービス事業者を攻撃してカード情報が流出したのは国内初。「決済機能を持たないがカード決済ページのセキュリティに影響を与えるサービス」を提供する事業者への規制が今後の課題となるしている。
1~3月のECにおける不正利用に関しては、クレジットカード不正利用による被害額が120億4000万円、「偽造」が7000万円、「番号盗用」が133億3000万円などだった。
かっこが提供する不正注文検知サービス「O-PLUX」を利用する11万サイトの審査結果をもとにしたECサイトの不正利用の動向は、クレジットカードの不正注文の発生率が1.8%(前年同期1.4%)、転売不正注文の発生率は3.8%(同1.8%)となっていた。
クレマスの被害や置き配の悪用が多発
不正注文に狙われやすい商材ランキングは、「ホビー・ゲーム」「デジタルコンテンツ」「」チケット」「食品・飲料・酒類」「健康食品・医薬品」「コンタクト・メガネ」「コスメ・ヘアケア」「アパレル」「スポーツ用品」「レンタルサービス」「家具」「PC・タブレット・家電」の順だった。
最近ではクレジットマスター(クレマス)による被害が急増。カード番号の規則性に従って、botなどを利用し、他人の番号を割り出す行為だ。情報が使えるかどうかを確認するため、ECサイトの決済ページなどが悪用されている。また置き配を悪用し、不正利用により買い物をした荷物を、週末のオフィスなど人がいない場所を指定し、受け取る手口なども増えている。
「クレジットカード・セキュリティガイドライン」では25年3月末までに原則、全てのEC加盟店に国際ブランド推奨の本人認証サービス『EMV 3-Dセキュア』の導入を求めている。利用者の決済情報などを基にリスクベース認証を実施し、高リスクと判断される取引にのみ、ワンタイムパスワードなどの追加認証を実施する。事業者は、従来懸念されていたかご落ちのリスクを低減した上で、不正利用の金銭被害を減らすことが期待できるとしている。
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