(公社)日本通信販売協会(以下、JADMA)は12日、都内・パレスホテル東京で「令和6年新年賀詞交歓会」を開催。会員社ら約380人が集まった。来賓には消費者庁から政策立案総括審議官の藤本武志氏、経済産業省からは商務・サービス制作統括調整官の山影雅良氏が列席した。JADMAの粟野光章会長は法規制対応・セキュリティ対策・物流現場の負担軽減に決意するとともに、行政へ業界現場の意見の吸い上げや会員社へJADMAマークのさらなる活用などを呼び掛けた。
部会やセミナー活用し種々の周知進める
会冒頭、粟野会長があいさつ。元日に発生した能登半島地震のおむやみとお見舞いを述べた後、2023年の行政による規制について振り返った。6月の
改正特商法、10月の
ステルスマーケティング規制、加えて
議論となった「送料無料表示」について言及。「一部の悪質な事業者を規制するために善良な事業者の負担増になってしまっていないか。政策立案にあたってはぜひとも当協会の会員社の声もお聞きいただけるように取り組んでいく」と来賓の行政関係者らに呼び掛けるとともに会員者らにも決意を明らかにした。加えて、「もちろん制定された法律についてはしっかりと順守できるようセミナーの開催などを通じて周知を行っていく」(粟野会長)とした。また物流の「2024年問題」についてもふれ「物流現場の負担軽減にあたり再配達削減に向けた取り組みをしっかり協力していきたい」と呼びかけた。
あいさつするJADMA粟野会長
セキュリティ対策についても「お客さまの個人情報をしっかり守れるよう、意識の向上や特別部会を立ち上げた取り組みなどを通してしっかりと周知していきたい」とした。
中高生の教科書の通信販売での買い物に関する内容の中にJADMAの役割などが掲載されるようになっている一方で、「現場の先生方から『JADMAマーク見たことがなかった』という声も上がってきている。安心安全の証としてJADMAマークをあらゆる媒体で活用してもらいたい」と会員者に呼びかけた。
消費者庁「年内に改正景表法施行」
来賓のあいさつに立った消費者庁の藤本審議官は
①消費者保護制度のパラダイムシフト議論について
②改正景品表示法について
③送料無料表示にの見直しについて
の3つに焦点をあてて話した。
消費者庁の藤本審議官は干支にちなんだ発展の呼びかけも
法制度のパラダイムシフトについては「デジタル化が加速し消費者を取り巻く環境が大きく変化し、現在の制度では対応しきれなくなっている。全体を抜本的にどう変えていくかという議論を進めており2024年はより具体的な議論を進めていく」とした。
改正景表法についてはまず
「確約手続き」の導入についてふれ、ステルスマーケティング規制なども含め2024年中の改正法施行に向けて準備していくと周知した。
規制という形はとらなかった送料無料表示の見直しについては「(JADMAに)自主的な取り組みを行っていただくよう働きをお願いした」と改めて説明。
結びに2024年の干支「丙辰」についてスピーチ。前回の「丙辰」は60年前。「東京五輪や東海道新幹線開業、IMFやOECD加盟もあり日本は大きな変革を迎えた年だった。2024年は自然災害など厳しいスタートにはなっているが、60年前に負けないよう皆さまと更なる発展につながっていくような年になることを期待している」と呼びかけた。
経産省「物流設備投資など支援」
経産省の山影調整官は景気向上について言及。「物価上昇もあるが、この上昇を上回る形での賃上げを実現していきたい。そのために中小企業の皆さまに向けた税制などの支援を行い、賃上げのために必要となる企業の稼ぐ力を強化できるサポートをしていく」とした。
経産省の山影審議官は物流設備などへの投資を通じた2024年問題対応を呼びかけた
当然ながら「2024年問題」についてもふれた。「経産省としては補正予算を用意し、物流施設の自動化や機械化の促進といった設備投資などに充ててもらえるように提供する。ぜひ活用して2024年問題を乗り切っていただければ」とした。
乾杯は大日本印刷(株)の北島義斉社長が音頭を取り、参加者約380人が食事を楽しみながら賀詞交歓した。
乾杯の音頭をとったDNP北島社長
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。